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- アーティスト: 中村一義,曽我部恵一,桑野聖ストリングス,沖山優司,KYON,高野寛,仲井戸“CHABO”麗市,加藤ジョー・ストリングス,名越由貴夫,細海魚,伊藤直樹
- 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1998/11/18
- メディア: CD
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「The Tour of OZ」*9
三年ぶり、100sとなってからは初めてのライブ。曲もさることながらステージ上の演出がとても綺麗で綺麗で、モノリスを彷彿とさせる細長い鏡が六枚あって、そこに反射される光がなんとも幻想的でした。メンバーのポジショニングも横並びになるのではなく、お互いが向かいあうような二列になっていて(扇状だったかもしれません)、客席ではなく演奏者同士で向き合って演奏しているのを見るのは不思議な感じでもありました。左寄りで見たので正面から見るとまた違ったように見えるのかもしれませんが、斜めになっているために三人は背中三人は顔も表情も良く見えるという状態でした。曲に関しては好きすぎて上手いこと言えないので、他のことを中心にメモします。MC話はもはやジンギスカンしか頭に残っていません。
特にライトアップが美しいと感じたのは「扉の向こうに」でした。特殊加工してあって透けているのかあるいは普通に鏡に反射させているのかわからなかったのですが、赤いライトが屈折して輪になって中村くんを囲み、鏡の部分には白い玉のようなぽつぽつとした円(連想したのはスーファミ版ゼルダの伝説の水のほこらぐらいで出てくる敵が放ってくるようなもの)が浮かび上がってぐるぐるまわっているという幻想的なもので、曲の雰囲気に良く合っていました。「Honeycome.ware」も結構序盤にやったのでまだテンションがおかしくなるほどでもなく泣いたりはしませんでしたが、この曲を生で聞けて本当に良かったです。ハニカムもオープニングのZENの後に始まって、自分の中で気持ちの整理がつかないうちだったので、引きずりすぎずに他の曲へとすんなり切り替えることができました。しんみり聞いてみたい気もありますが、ライブはライブ、次から次へと流れてくる曲に楽しさが増えるばかりでした。
ちょうど朝に聞いていた「魂の本」をアンコールで歌ってくれて鳥肌がたちつつ、中村くんに対する見方ががらっと変わった「1.2.3.」も演奏してくれたので、私としては満足しないわけがありません。夢心地になりながら、あれもこれも聞きたい!と贅沢なことも願っていました。
最後に小野さんが流した音、鳴らす踵は二回きり。現実に戻るのかまだそこにいるのかを選ぶのは残された私たちの方で、手拍子に合わせて歌う女の子たちの声が賛美歌のようにも聞こえました。鏡に向かって祈りを捧げて、その願いを昇華させていたのかもしれません。歌詞が覚えられない私は、誰もいないステージを見つめてそこに映し出されるものを思い描いていました。屈折しても光は光で、とても綺麗でした。