藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

これからのロールモデル。

yomiuri onlineより。

久留米市の「道の駅くるめ」の来場者が七年で一千万人を超えたという。
好調の理由は「常に鮮度の良い野菜や果物。」ということだが、その先があった。

受け入れる道の駅は、農家に生産履歴書を提出してもらい、だれが栽培したかを消費者に伝えるとともに、抜き打ちで残留農薬の検査を行うなどして安心・安全をアピールしている。

こんな自助努力も自発的で好感されていると思うけれど、
「作付面積を拡大した」
「収入が増えた」
「生きがいづくりになっている」
「夫の定年後、一緒に栽培するようになった。私たちが安心して食べられるものを出荷している」

どれも政治や行政がキャッチフレーズとして考え出しそうな声だけれど、全てが「やらされ」ではなく「自発」であることではないかと思う。
以前宮崎の、やはり野菜類の生産で成功している綾町を取材したことがあるけれど、ここでもまったく「自発」でしかなく、一つ一つの生産者がもう「自らのプライドにかけて」玉ねぎや根菜類を作っておられた。
そこにはもう「売れるがどうか」の意識はなく、「野菜作りこうあるべし」という執念を感じたことを思い出す。
そして、たい肥作りとか、朝市場とか、最大公約数的なものを行政が補助して実にうまくかみ合っていたと思う。

農業に限らず、生産者が自発的にモノ作りに取り組み、行政はそれを補助する、というのがこれからの地域のコミュニティの成功パターンではないだろうか。
そしてこれは地域のサービス業にも通じるのではないかと思う。
ただ大量生産ではなく、多品種少量生産でもなく、地域での「地産地消ブロック」がこれからの標準になるのではないだろうか。
大都市圏は絶対的な脅威でもなくなるのかもしれない。

道の駅くるめ、来場1000万人超
道の駅くるめ(福岡県久留米市)の来場者が開業7年で1000万人を超えた。旬の野菜や果物が評判を呼び、昨年度は160万7000人が来場、約7億7000万円を売り上げ、いずれも過去最高となった。順調な運営は出荷する農家に収入増や生産意欲の向上をもたらし、地域を活気づける好循環が生まれている。
 2008年5月にオープンした道の駅くるめは、久留米市国土交通省が整備し、指定管理者の市みどりの里づくり推進機構が運営している。物産館やレストラン、研修室などがあり、ドライバーが休憩したり、住民が交流したりする場として親しまれている。
 売上高は年々増加し、昨年度は初年度の約2倍に。来場者数も13年度を除いて前年を上回る状態が続いている。売上高、来場者数のいずれも年間目標を上回った。
 好調の理由は、常に鮮度の良い状態で並ぶ野菜や果物。近隣の農家でつくる出荷者協力会(約560人)が四季折々の農作物を毎日持ち込み、売れ残ったら原則、その日のうちに引き取っている。売れ筋商品の生産に力を入れたり、品切れのタイミングを見はからって補充したりするなど、買い手を意識した取り組みを心がけているという。
 受け入れる道の駅は、農家に生産履歴書を提出してもらい、だれが栽培したかを消費者に伝えるとともに、抜き打ちで残留農薬の検査を行うなどして安心・安全をアピールしている。
 道の駅のにぎわいは生産者に、やる気をもたらしている。出荷する120人を対象にアンケートを行ったところ、約4割が「作付面積を拡大した」と回答。「収入が増えた」とする声も多く、「生きがいづくりになっている」「耕作放棄地の解消につながった」など意欲的な回答も目立ったという。
 葉肉が厚いレタス「ハンサムグリーン」やスティック状のカリフラワー「カリフローレ」を出荷している弥永久香さん(68)は「夫の定年後、一緒に栽培するようになった。私たちが安心して食べられるものを出荷している」と話す。神代勝則駅長(59)は「安全で新鮮な商品を提供し続けていることが、お客様に認められた」と手応えを感じている。
来月7日まで感謝祭 道の駅くるめでは6月7日まで感謝祭のイベントを開催中。30日は記念セレモニーや餅つき大会、31日は花苗のプレゼントや輪投げ大会などがある。問い合わせは道の駅くるめ(0942・47・4111)へ。(杉尾毅)