I REMEMBER CLIFFORD

今年は恩師がお二人、他界されました。お盆らしい曲を一つ。


I REMEMBER CLIFFORD
1957(Jon Hendricks / Benny Golson) Roland Girschick


I know he'll never be forgotten
He was a King uncrowned
I know, I'll always remember


誰も君を忘れはしない
君は無冠の帝王だった
いつまでも覚えている


あの温かなサウンド
心から離れない
君の曲を何度も掛ける
聴けば忘れようがない


フレーズが鳴り響くと
君は今も僕たちと共に
時が許しさえすれば
この時間は永遠に続く


ああ、クリフォードよ
君を近くに感じる
毎日君の演奏を聴こう
美しきトランペットよ


どう言えば良いのか?
確かに君は去ったけど
いまもここにいる
僕は心の中で確信する
君を忘れはしない、と


邦題『クリフォードの思い出』。1956年に25歳で亡くなったトランぺッター、クリフォード・ブラウン(ブラウニー)を偲ぶ歌。作曲は友人のテナー奏者ベニー・ゴルソンリー・モーガンのレコーディングの話がゴルソンのところに来たとき、「君もトランペットを吹くなら、ブラウニーを忘れないで欲しい」という思いでこの曲を手渡した。
ブラウニーを敬愛する人たちはボーカルにもいたので、そのために後からヘンドリックスが作詞。「君の演奏を聴くと、いまも君が僕のそばにいるようだ」という内容を繰り返してるだけで、詩としてはひねりがないと思う。ネタとしては「歌うケニー・ドーハム」が破壊的。



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「なかなか良い若手がいるじゃないか」とスカウトされて、リー・モーガンベニー・ゴルソンアート・ブレイキーのもとで修行。ベニー・ゴルソンは更に自分のジャズを追求するためにアート・ファーマーと組んでジャズテットを結成し「クリフォードの思い出」を持ち歌にしています。


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1991年、コペンハーゲンでのライブ。スタン・ゲッツ亡くなる3ヶ月前。やはり人生を閉じる前も「クリフォードの思い出」なんだろうか。きっとこの曲に見送られると、ジャズが流れる天国に生まれ変われるのかも知れません。ケニー・バロンの伴奏も秀逸。ライブの全曲入りは「People Time」のほうで。