DAT DERE

今日はなんで休みなの? 憲法記念日と子どもの日、どっちの代わり?


DAT DERE
1960(Oscar Brown Jr. / Bobby Timmons) Diane Roy


Hey mama, what’s dat dere?
And what’s dat doin' dere?
Hey mama, up here! Mama, look at dat over dere!


ねぇママ、あれ、なーに?
あそこで、なにしてるの?
ねぇママ、こっちきてー!
あっちあっち、みてみて!
あれって、なにしてるの?
あの人たち、どこいくの?
あのゾウさん、ちょーだい


おイスにいるの、だーれ?
あそこで、なにしてるの?
ねぇママ、こっちきてー!
あそこにいっても、いい?
「チャント」ってなーに?
「ホットイテ」ってどこ?
あのゾウさん、ちょーだい


静かにして! 何もないの
「誰?なぜ?どこ?」って
いつも知りたがってばかり
もうやめて、おチビちゃん

            • -

でも質問はどんどん溜まる
あのゾウさん、ちょーだい


ブラシするの、イヤーッ!
アタシのクマさん、どこ?
ねぇママ、こっちきてー!
みてみて、カウボーイさん
あのおクツ、はいていい?
あのゾウさん、ちょーだい


datはthat、dereはthere。どちらも舌足らずな子ども言葉。質問攻めにしてママを困らせています。ロング・バージョンでは「she」と呼ばれているので、お嬢ちゃんですね。そんな彼女もやがて大きくなり、恋をし家族を設ける。すると今度は、自分の子どもから質問攻めに会うという内容。因果は巡り巡って、ゾウさん好きの子はゾウさん好き。
ジャズ・メッセンジャーズのピアニスト、ボビー・ティモンズが1960年に発表したインスト曲。自らのトリオで演奏しファンキー・ジャズの代表曲となったが、これを同年オスカー・ブラウン・ジュニアが愛らしい歌詞でボーカリーズした。もともとは「ダディ」と呼びかける男の子バージョンになっている。



The Big Beat
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star楽しくてしょうがない
starやはり…リマスター大失敗。
starウェイン・ショーター時代の幕開け

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ほら、これってカッコ良い曲なんです。歌詞に騙されちゃいけません。トランペットにリー・モーガン、サックスにウェイン・ショーターを迎えてのジャズ・メッセンジャーズボビー・ティモンズ自身のピアノも軽快。バックからボス、アート・ブレイキーのドラムが目を光らせています。


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starこれは「濃い」ぞ
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starボビー・ティモンズの最高傑作は「濃い」ぞ

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ジャズ・メッセンジャーズのアルバムは1960年3月。でも「ダット・デア」はすでにボビー・ティモンズの初リーダー作で発表されていました。1960年1月。こちらはピアノでハードボイルドに攻めてます。自分の名刺代わりに作った曲。


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star最近ジャズを毎日聴いてますが
starWORK SONG
starこれぞ

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このダークな雰囲気。俺にもやらせろ、ということでキャノンボール・アダレイ。ティモンズをピアノに迎えての「ダット・デア」。これも1960年です。キャノンボールの分厚いサックスがここでも火を噴いて飛び回ってます。「ワークソング」も入ってて、このアルバム、良いですね。


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1979年に『浪漫』でデビューし、グラミー賞を総なめしたアーバン・ロックのリッキー・リー・ジョーンズ。テンポの取り方、歌の崩し方がデビュー当初からジャジーです。そして1991年。『ポップ・ポップ』なんて可愛いタイトルが付いてますが、ベースはチャーリー・ヘイデン、サックスにジョー・ヘンダーソン。こんな硬派なジャズはありません。どのスタンダードも崩壊寸前の絶妙なバランスでアレンジしてあり、彼女の存在感を印象づけています(試聴はこちら)。