ミライ派野郎

森山未來とその周辺を果てしなく気持ち悪い感じに追いかける桐の日々散々。

『大友良英 / 歌と即興、そしてサウンドトラック』3日目@新宿PIT INN


 「その街のこども」サントラをメインに、その他映画やドラマのサントラで構成された大友良英さんのライブに行ってきました。すごーく良かった! 演奏はもちろんだけど、大友さんのトークが…わたし勝手に、何だか気難しい感じの方なのかと、本当に勝手に想像していたのですが、とんでもなかった! 軽妙で気取らないトークがとても素敵でした、面白かった〜。
 大友さんのサントラは、「未来は今」で知ったのが最初のはずです。「未来は今」はとにかくラストが、何度見ても涙止まらなくなってしまって、これは金魚の所為だと理解していたのですが、今日何となくわかりました。金魚もだけど、曲もだ…!
 大友さんの音*1は、真っ白な水*2 *3で満たされた空間に、色んな色のインクを一滴ずつ落としていくようなイメージでした。ふわふわと滲みながら広がる、その滲んでいる部分に次の音の色が落とされてまた滲む、滲みと滲みの重なりが徐々に混ざり合って薄くなる、それが消えないうちにまた次の音がふわりと広がる…そんな感じ。で、それが連なるんだけれど、そのふわふわとした滲みがたくさん浮かんだ白い空間をずずーっと引いてみると、とても美しい風景が描かれていた、何かそういう…イメージというか展開が頭の中に広がるというか。で、そのずずーっと引いていく瞬間の部分で、ぞわわっとして涙が出てくるのだ、というのを、今日演奏された映画「blue」*4のサントラ曲を聴いて理解しました。ずずーっとの部分が、「未来は今」では金魚の場面なんです。今までずっと見ていた世界が、まったく違うものに見えてくる瞬間、みたいな音がするの…それを生で味わえただけでも、今日行って良かった…!と思います。
Blue (Feelコミックス)

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 ゲストの阿部芙蓉美さんの歌もすごく良かったです、このひとの声も、ふわりと漂う感じなんだけど、でも真ん中に芯が一本通ってるふわり感で…儚げだけどすごく力強いのね。カヴァー曲も素敵でした。ご本人もすごく、飾らない雰囲気で、ナチュラルで可愛らしい感じでした。マイクのコードが取れちゃって困ってたの、可愛かったなぁ(笑)。でももう大丈夫なんですよね! これからは!
 が、しかし。大変申し訳ないことに、やはり、当初の目的は、ええ。シークレットなゲストさんというやつで。正直期待はしてなかったんですが…というかしないようにしていたんですが…ほら、私が行くと未來さんは来ないの公式もあることだし(笑)。私が行かないと未來さん来るんだよ(笑)。なので、最後まで油断せず信じないつもりで行ったのですが…。
 ライブは2部構成になっておりまして、前半にBLUEサントラとか、サモハン・キン・ポー主演の香港映画のテーマとか、いろんなサントラ曲をやってから、阿部さんを呼んで映画「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」のテーマとあと何曲かを演奏、一旦休憩を挟んで後半は「その街のこども」サントラ曲、という流れでした。ざっくりとですが。で、休憩を挟んで後半に入り、NHKドラマ「クライマーズ・ハイ」のエンディング*5等を数曲演奏してから、ついにシークレットな方が呼ばれましたよ。呼んでもいなかったけど最初(笑)*6。呼ばれて出てきた未來さんは、例の演ぶ表紙の青い花柄スーツに、首にヘッドフォンをぶら下げたまま、ひょっこりひょっこり歩いておりました…。髪はグレゴールの名残でさっぱりスッキリな感じ、眼鏡はなし。出てきて、紹介されてお辞儀して、大友さんが「ちょっとそこで何か喋ってよ」と前方のマイクの辺りを指して云いましたが、未來さんは「いや〜(笑)」と辞退(笑)されてそのままドラムセットへ直行。ドラムの前で花柄スーツのジャケットを脱ぎ、ついでにヘッドフォンも外していました…出てくる前に外しとけばいいのに(笑)。スーツの下は紺〜黒*7のVネックTシャツでV字の襟元の両サイドに赤い模様が入っているやつ、足元はライブ中はよく見えなかったけど、後で見たら裸足なのかスニーカーソックスなのか、とにかく足首がスーツのパンツ裾から見えてて、ごつめの靴を履いていました。アクセサリーはネックレスしてたかな? 近くじゃなかったのでよくわかりません。さすがにライブハウスでオペラもないしな(笑)。
 まずは「歩く」というタイトルの、10分以上あった曲から。10分以上になった曲から、編集してドラマでは使われたそうです。未來さんはドラムで、バンドのドラマーさんもいらっしゃるのでツインドラムというわけですが、でも未來さんのはドラムって感じじゃなかった。何だろう、叩いて出す音で会話してるみたいな演奏だった。ドラム2台のインプロパートがけっこう挟まるのですが、こうしたらどうなる?とか、こんな風にしてみらたらどう?って、ドラマーさんとの丁々発止なやり取りを楽しんでいる、みたいな…譜面の通りに演奏する、いわゆる「演奏」とは全く違ってて面白かったです。叩くのも、ドラマーがドラムを叩く姿とはこれまただいぶ印象が違っていて、身体全体で叩くというか…バスドラ踏むのも全身運動で…身体全体から溢れるリズムをドラムにぶつけているような。すっごく楽しそうなの! 叩きながら何度も、笑顔がこぼれてて、どっか一箇所声出してあはは!って笑ってたし…すごく、好き放題に楽しそうにやってるんだけど、ちゃんと曲全体の流れは把握してて、把握しながらその中で、こんなことしてみちゃえ、ここ3拍で取っちゃえ、みたいな遊びや、敢えて流れを外すみたいなことをしてみたり…いや、ドラムも打楽器もさっぱりわからないので、いつもながらの印象ですが、ほんと音の奔流の中で自在に遊んでるみたいなドラムでした…見てる方もおもしろくなってきちゃう、笑顔になってきちゃう。笑顔になりながら、…やっぱこのひとすごい…、とどっかで目を見張るような。盛り上がりのピークが徐々に収束して終わる最後の最後、静かになったところで、小さくシンバルこーん、と鳴らしてみたりして(笑)。終わってから、「こんなの全然『その街のこども』じゃないじゃん」って大友さんも笑ってらしたけど、実際こういう感じで演奏したものから部分が使われていったそうです。
 ピットインから未來さんにウーロン茶の差し入れがあって、それを見た大友さんが「ずいぶん長いことピットインでやってるけど、そんなこと一度もなかった!」って云ってたのも面白かったです。トロンボーンの方と、「伊勢丹の地下だった頃から出てるけど一度もない」って云い合ってて(笑)。…っていうのは演奏前だったっけ?
 未來さん参加の2曲目は、阿部芙蓉美さんも再登場して「その街のこども」テーマ曲。この曲では、ドラムではなくアンティークシンバルという楽器を担当されておりました。シンバルの縁をベースの弓で弾くような楽器? 奏法? あの、ぴぃん、と高い、張り詰めたようなでも柔らかい、金属系の音です。元弦楽器奏者としましては、未來さんが弓持ってる、というそこにも感動(笑)。何だか、職人の技を見ているような感じの演奏姿でした…ドラムセットから出て、立って演奏してたんだけど、Tシャツの背中〜肩〜腕が、逞しくなったというか、分厚くなった感じがした…虫筋ついたのかな(笑)。
 それにしても、やっぱりすごいと思う。いくらインプロ/即興/カデンツァって云ったって、適当に音を出すだけじゃ曲として成立しないというか、曲を邪魔してしまうもの。でも未來さんのドラムもアンティークシンバルも、きちんと曲の一部として、一体化していたし、あると気持ちいい部分にきちんと音が嵌ってる。ドラムって感じじゃないし、技術的にはドラミングになってるかどうかわからないんだけど*8、でも身体から湧き出るリズムが止まらない!って感じが…本来の、原初的な打楽器だよな!と思いました。
 プラスのアンコールも未來さん阿部さんと一緒に、「その街のこども」をもう一回。ピアノ伴奏と歌から入って、「Cでドラムから徐々に入っていって、未來さんも」って大友さんが云ってたのが、Cって譜面に書いてあるAとかBとかCとかのCかな?と思って、その指示の出し方がすごく懐かしくて勝手にニヤニヤしてしまった。わたくしオケ譜しか知りませんが、アルファベットとか数字が譜面的にキリのいいところに打ってあるんですよ。練習中に良く、「じゃあDからもう一回」とかそういう風に場所指定に使われるんですよ。それかなぁ…と勝手にニヤニヤした。そんだけ。あと大友さんに「未來さんも」って云われた未來さんが「僕もですか!?」って云ってた(笑)。そりゃそうでしょうドラムの前に座ってるんだから(笑)。隣の人*9見て同じところから入ればいいから、って云われていました。すごいなぁ本当にインプロだよ! クラシック畑しか耕したことのない人間には全く理解できない世界だよ!
 アンコール1曲でライブは終了でしたが、「その街のこども」はDVD化とか、映画化*10とか、そんなお話もあるらしいので、その時はまたライブやりたいなぁとの大友さんのお言葉がありました。DVD化! してほしいそして今日の映像を特典で入れて頂きたいです! 何か、記録用にしてはちょっと本気っぽいぞ?なカメラが2台も入ってたし…どうですかNHKさんどうかお願いします…!
 脳みその中の白い空間に、色んな色のインクをたくさん落としてもらって、素敵な風景が出来上がった夜でした。「女人、四十。」のアルツハイマーの曲も良かったなぁ。悲しい事象をコメディーで描く、どんな映画なのかはわかりませんが、何となく心意気は伝わった、気がする!
 フロアーにはNHK関係者の方もたくさんいらしていたようですが、わたくしのすぐ後ろには穂のかちゃん・朝里さん・丸尾さんの変身チームがいらっしゃいましたよ…。前門の未來、後門の穂のか状態でしたよ…! ええと、穂のかちゃん呑み過ぎには気をつけて下さいね☆

*1:曲じゃなくて敢えて

*2:透明じゃないんだ、白なんだ

*3:キャンバスと云いたいところなんだけど平面じゃない

*4:これ原作が大好きなのです。映画も見てみたくなった! たしか小西真奈美が出ていたような…

*5:これは先日結婚されたNHKのプロデューサー?さんに捧げられてました

*6:休憩中にドリンクカウンターでジントニック飲んでたらしいよ!

*7:あんまりわからない

*8:多分違うよね

*9:ドラマーさん

*10:劇場公開ってこと?

2010年秋「RENT」キャスト発表!

 カテゴリーに「森山未來」が入らなかった…!
http://www.tohostage.com/rent/
 …つまりそういう事態です(笑)。今現在のわたくしの心境としましては、残念3割ホッとした7割、くらいです。とりあえず発表されて、やきもき感がなくなったのは…荷が降りたよ…。
 キャストは、けっこう入れ替わってますね…マーク福士誠治くんかぁ! 歌えるからキャスティングされたんですよね、歌われる印象がない*1のでわからないのですが。ロジャーはRyoheiさん残留か! それは嬉しい!
 他残留はジェニファー、Miz、米倉さん、ロウマ、Shiho、白川さん、な感じですね。アンサンブルはすみません未確認で…*2
 とりあえず、組み合わせに悩みつつ一通り全キャストは見てみたいかなー。新モーリーンのキタキマユって、ドラマ「カバチタレ!」のED歌ってませんでしたか? ですよね? わぁオシャレガーリィポップ系イメージしかないんだけどケツレヘムとかやっちゃうの!? 新ミミにソニンは…うん。良いアウト・トゥナイトが見られそう(笑)。
 …と、今は「ホッとした7割」が勝った気分ですが…実際観たらまた違ってくるだろうな…あの子もあの子もいてあの歌があの歌詞、なのにあの子がいない…!!というショックは、きっとまた別に襲って来るのだろうね…。そっか、「クリスマスイブに始める!」も「それで点・け・て・よキャーンドル」も、未來さんじゃない声になるのか…まだちょっと想像できないや…(笑)。

*1:すみませんNHKの時代劇くらいしか…

*2:出先なもので