橘川幸夫「希望の仕事術」

希望の仕事術

希望の仕事術

 「ドラマで泣いて、人生充実するのか、おまえ。」の続編ともいえる本。今回は、語録とともに、その解説とも言える文章が1ページついている。 このショートショート解説が付いて、より良くなった(解説があることで、もう一度、語録の意味を深く味わえる)。
 「仕事術」というタイトルだが、100円ノートでどうこうとか、Hacksがどうのこうのといった仕事のノウハウ本ではなくて(そっち系の本も好きだったりするのだが)、21世紀の生き方に関する本。

 仕事とは、あなた自身の欲望を社会化すること。

 という言葉で始まるのだが、まさにここに、この本がいう「仕事」の意味がある。「使役」でも「労働」でもない。「めざせ年収2000万円」でもなければ、「年収300万円でリッチ気分を味わう」的なオカネで換算する世界でもない。社会との関係性としての仕事。クリス・アンダーセンの「フリー」が話題になっているが、何のために働くのかといったとき、コミュニティとの関係とか、社会の中の自分が「良い仕事」を生みだしているんだよなあ。ということで、この本では、どう生きていくのか、どんな心構えで行くのかが、ワンフレーズとショートショート解説で語られていく。すぐに読めてしまうが、行き詰まったときに、もう一度、読むと良さそう。帯に<21世紀の「仕事★聖書」>と書いてあったけど、確かに現代の「聖書」的な雰囲気がある本。