澤地久枝「好太郎と節子 宿縁のふたり」

好太郎と節子  宿縁のふたり

好太郎と節子 宿縁のふたり

 澤地久枝による三岸節子の評伝。三岸好太郎との生活を中心に展開される。三岸節子は激しい人だと改めて思う。三岸好太郎、菅野圭介と、ふたりの夫はいずれも芸術家であり、その二人からの刺激が三岸節子の絵画をさらに進化させていったのもわかる。ただ、一人は夭逝し、一人は自滅していってしまう。こうした激しい生があって、あの絵が生まれてきたのか。三岸自身が語る人生は、林寛子の「三岸節子 修羅の花」が一番まとまったもののようで、この本の中でも引用されることが多い。ただ、それは三岸節子から見た視点であり、澤地久枝は、それをまた検証していく。菅野圭介との「別居結婚」解消に至る張本人として、節子本人は「週刊朝日」編集長だった扇谷正造を罵倒しているが、澤地久枝は、むしろ破綻していた結婚を扇谷が「離婚」報道することで終止符を打ってあげたと評価している。確かに、これで自由になった三岸はこの後、フランスに渡り、芸術家として、さらに大きく開花するのだから、扇谷は恩人と言うことにもなるのかも知れない。
 ともあれ、読んでいると、札幌の三岸好太郎美術館と愛知県一宮市三岸節子記念美術館に行ってみたくなる。

1408号室

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 呪われた部屋モノといったらいいんだろうか。一度入ると、誰も無事には出てこれないホテルの1408号室の話。「ジェイコブズ・ラダー」みたいな展開かと思ったら、そこからもう一度、ひねってみせる。しかし、この手の映画は観る側も、裏、裏と考えていくので難しいなあ。「ジェイコブズ・ラダー」的な話かと思わせるための伏線を張りすぎているのかも知れない。そのためにかえって怖いモノも怖くなる感じがする。もっと正攻法で押してしまった方が良かったのか。ちょっと難しいところ。ジョン・キューザック主演。サミュエル・J・ジャクソンも出てくるが、重要だが、少ししか出てこない。スティーブン・キングっぽい話だな、と思っていたら、原作はその通り、スティーブン・キングだった。