年始の記録



あけましておめでとうございます。


晦日は所用の後、木挽町辨松で注文しておいた小鯛折詰弁当を受け取り、名古屋の実家へ。当初は年が明けてから帰省する予定だったので、お弁当は東京での初詣の後に食べようと思っていたもの。新幹線の中で尾頭付きの鯛なんて嬉しい(笑)
家に着き、ダイニングのテレビに点いていた紅白歌合戦を、それこそ10年振りくらいに見た…んだけど、飲んだり食べたり話したりでほとんど何も、よくは見られず。おそばやお刺身などをつまみ、お風呂で同居人に恒例の垢すりをしてもらい、無事に年越し。


実家に用意されていたおせちはうちで作ったものの他、高島屋の通信販売を初めて利用してみたとのことで、同じおかずを食べ比べる形に。私は、美味しい!って程じゃなくても食べ慣れたうちの方が好き。煮しめにきんぴら、富山の赤巻きかまぼこ。
初詣は喪中ながら、祖母が行きたいとのことで、近くの神社に出向き、鳥居をくぐらず済ます。とてもいい天気だった。


東京から持っていったおみやげは、天平庵の「東の京」「明日香川」と、東京ひよ子の「お気に入りプリン 塩キャラメルソース」。この二つ、今の東京土産としてはかなりいいと思う!(もっとも「塩キャラメル味」を家族が好むかは少々心配だけど、現在はこの味しか売っておらず)


名駅で買ってきたおみやげは、新商品のゴンチャロフの地域限定「名古屋ビュースポット チョコレート」に、これも初めて見た山本屋本店の「生・味噌煮込うどんセット」、浜乙女の「味噌おでん」「うなぎまぶし」など。どれも楽しみ。
新幹線内のおつまみは、同居人が選んだ「名古屋にぎわい弁当」とヤマサの豆ちくわ。楽しく食べた☆

ハンガー・ゲーム2




「お姫様みたいなドレスはもう着ないのか?」
「卒業したわ」


前作「ハンガー・ゲーム」(感想)は、主人公が少年少女であること、演じているのがジェニファー・ローレンスジョシュ・ハッチャーソンであることこそ素晴らしい。ところが本作では、冒頭早々に、ジェニファー演じるカットニスが「もう少女ではない」ことが示される。どうなるのかと思いきや、次から次へと新しい要素が出てきて、前作よりずっと面白かった。


同じ体験をしてきた「同士」は互いを子どもだなんて思ってはいない(年が近い者同士というのはそもそもそういうものか?)。フィニック(サム・クラフリン)がカットニスを「お姫様のドレスは着ないのか」とからかうのはその裏返しだ。しかし高見の見物をする観客達はそうでなく、例えば司会者は彼女のことを、当たり前のように以前のニックネームのまま「炎の少女」と呼ぶ。サバイバー達の、本人も望まぬ「成長」に、観客達は気付いているだろうか?もしかしたらそこに「一矢」の可能性があるのもかもしれない、などと思いながら見た。


ジョシュの相変わらずいい仕事をしてること。本作でも「パン職人」として登場したピータは、後のある場面まで「僕にはカットニスだけが大事、僕のことは誰も大事ではない」という心情からか、あるいはそのセリフも含めた「演技」に疲弊しているのか、唯一「死んでいる」時だけ穏やかな顔をする。少なくとも冒頭の一幕の、カットニスにとってのゲイル(リアム・ヘムズワース)のような存在が、彼には無かったのだ。一方のカットニスは、「死んでいる」…意識の無い時ではなく、目覚めて愛する者の顔を目にした時に、作中最も嬉しそうな顔をする。


前作同様、二人が並んで立って馬車で登場するローマ風の場面にはじんとしてしまった。この画には「カリフォルニア・ドールズ」の最後の出場シーンを思い浮かべる。経緯は異なれど、「勝つことはない、サバイブするだけ」の闘いに発つ時というのは同じだもの。準備するのが自分か他人かという違いはあれど、サービス精神にあふれた(馬鹿馬鹿しいとも言える)衣装もね。
これに限らず、二人が並んで立っている場面はどれもいい。付き添い役(エリザベス・バンクス)に名前を読み上げられた(あるいは「志願」した)後の二人の、カットニスは「なすすべもない」、ピータは「やる気まんまん」といった感じの姿。


カットニスには幼馴染?で「相思相愛」のクリスに、自分を守ってくれるピータ、「殺し合い」の「仲間」とはいえ「チャーミング」なフィニックまで近くに居るのだから、女である私は「少女漫画」的な楽しさも味わえる(「皆があなた(ピータ)と寝たいって言ってるわよ」というセリフも、そんな男が「自分のもの」なんだといういいスパイスだよね・笑)。でも本作を見ていると、男女、というか人間関係につき、お決まりの「心が揺れる」とか何とかいう意味合いよりも、そもそも(異性の)パートナーと固定の関係を持たなければならない、というのも「上」からの押し付けなんじゃないかという疑問を感じる。そういうことを思わせられる映画っていいものだ。


「ゲーム」の描写については、物語上、所詮何でもアリだもんな〜と思ってしまうと見られなくなるから、時間的にも内容的にも程よい重きというのがある、本作のそれは丁度いいと思う。「発射」されて「陽」の下に出てからずっと、楽しく見た。前作と違い、本作で繰り広げられるのは、個人と個人の闘いではなく「皆で手を繋」いだ同士達と支配層との闘いだ。ラストには「何でもアリ」に矢が放たれ、突き刺さる。「革命」の始まる次作がとても楽しみ。

昨年を振り返って


昨年劇場観賞した映画の中から、お気に入り10本を、見た順に。


アルバート氏の人生感想)…壊れたボイラーが動き始めるのを合図に、皆が関わり合い、影響を与え合う物語。昨年は「洗濯物を干す場面」が印象的な映画が三つもあった。本作、「死霊館」、「ブランカニエベス」。どれもいい。


▼東ベルリンから来た女(感想)…ベストワンを決めるならこれかな?何とも言えず訴えかけてくる。始め冷淡にも見える主人公のぬくもりを最後に感じる。くまさんの作ってくれるラタトゥユ、次々出てくる乗り物と、私にとっては盛り沢山な一作。最後に流れる「At last I am free」も印象的だった主題歌ナンバーワン。


▼王になった男(感想)…チュ・チャンミンは今最も「期待」させられちゃう監督の一人。本作は、映画そのものも最高だけど、観た環境もよかった。おそらくイ・ビョンホンのファンで満席の中、うんこシーンで生まれた一体感は忘れ難い。


横道世之介感想)…「世之介より6年遅れて上京した私が、一番体験したかった、でも出来なかった『東京』」が描かれてるのも勿論魅力だけど、物語の描写の仕方、終盤の、「謎」をめぐるめくるめく展開も素晴らしい。


シャドー・ダンサー感想)…この感じ、超好み。一昨年からのアンドレア・ライズブローに、これまで幾つかの映画で「この人、なんで出てるんだろ?」と思ってたけど今回はぴったりはまってたクライヴ・オーウェン、相変わらずセクシーなエイダン・ギレン


▼三姉妹 雲南の子(感想)…面白すぎるドキュメンタリー。素晴らしい画の連続。


▼ウィ・アー・ザ・ベスト!(感想)…これだけはどうしても見たくて、映画祭に出向いた。見ながらずっと、胸がどきどきしっぱなしだった。「ウィ・アー・ザ・ベスト!」って最高の言葉はどういう意味か。


眠れる美女感想)…「尊厳死」の賛否を問うわけじゃなく、ものを知る、ものを考えるとはどういうことかという話。


ハンナ・アーレント感想)…ものを考えるという行為、その影響を映像にするということの面白さ。ニューヨーク映画でもある。「アルバート氏の人生」と合わせてジャネット・マクティアの魅力的なこと。


▼楽隊のうさぎ(感想)…ベストテンに中学生の映画が二本も入るなんてなんだかいい。「桐島、部活やめるってよ」があまり楽しめなかった理由の一つは、「男は『ぶさいく』含む色んなタイプがいるのになぜ女は『可愛』コちゃんばっかなの?」だったものだけど、本作、というかこういう映画だと、男も女も「対象」として対等なのがいい。


▼「次点」、というか違う日に選んだらベストテンに入れてたかも、という作品は…「よりよき人生」「リンカーン」「パパの木」「真夏の方程式」「ニューヨーク、恋人たちの2日間」「大統領の料理人」「ビザンチウム」「危険なプロット」「デッドマン・ダウン」「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」。色々見られて楽しかった!