清武代表が渡邉会長の人事介入を批判

巨人の清武英利球団代表が、NPBを所轄する文部科学省記者クラブで記者会見し、渡邉恒雄球団会長が来季のヘッドコーチ人事を独断で覆したことなどについて「オーナーやGM制度をないがしろにするだけでなく、コーチや選手を裏切り、ファンをも裏切る暴挙」として内部告発した。
清武代表によると、桃井恒和オーナー兼球団社長や原辰徳監督と協議して岡崎郁ヘッドコーチの留任を含むコーチ人事を内定し、10月20日に渡邉会長の了承も得たが、渡邉会長は11月4日に記者団に対して「俺は何も報告を聞いていない」と発言し、9日に江川卓氏のヘッドコーチ就任と岡崎コーチの降格を一方的に通告。さらに、渡邉会長は巨人では代表権がないにもかかわらず、代表取締役である桃井オーナー兼社長をオーナーから外し、清武代表のGM職を解くことを通告するなど、フロント人事にも介入。「不当な鶴の一声で、愛する巨人軍を、プロ野球を私物化するような行為は許せない」と涙ながらに語った。
清武代表は桃井オーナーと問題意識を共有していることを強調したが、桃井オーナーは東京都内の球団事務所で記者会見を開き、清武代表の会見について「私が知らないところでやった訳で、球団の内部統制という意味ではとんでもない話」と主張。コーチ人事については「クライマックスシリーズの大惨敗で状況が変わり、見直しが必要という判断だと思う」と反論し、フロント人事についても「会長は親会社のトップであって、ヒラの取締役とは違う」との認識を示した。
また、江川氏はコーチ要請を名誉なこととしながらも「このような状況では、入団時に小林繁氏に大変ご迷惑をかけてしまったのと同様、多くの関係者にご迷惑をかけてしまうので、お受けするのは難しい」との談話を発表した。