Spandau Phoenix/Greg Iles

Spandau Phoenix: A Novel (A World War II Thriller)

Spandau Phoenix: A Novel (A World War II Thriller)

面白さ★★★
易しさ★★

ナチスドイツ最後の謎、ルドルフ・ヘスにまつわる陰謀を題材にした話です。
ストーリーの土台は、陰謀説としてもともとあるものを膨らませてます(リンク先は小説前半のネタバレ含む)。
http://en.wikipedia.org/wiki/Rudolf_Hess


この小説の特徴としては、なんといっても登場人物の多いこと。読んでる途中で、何度登場人物一覧表を作ろうと考えたことか!
また、各国の諜報機関がそれぞれの思惑に基づいて駆け引きを繰り広げるので、話の規模もかなり大きくなってます。めっちゃ世界規模です。複数の筋が同時平行で進みつつも互いにからんでいくため、人によっては誰がどの陣営に属しているかこんがらがっちゃうかも知れません。この壮大さにともなって本の厚さもけっこうなボリュームがあります。


これだけ大きく風呂敷を広げてかつJRのダイヤ並みに入り組んだ展開を破綻なく読ませるのはさすが!
しかし逆に展開をスムーズにするために全編通してご都合主義なのは仕方ないと思いましょう。要所要所で、おや?ということが起きるけどいちいち気にしちゃいけません。偶然開けたドアの向こうが○○の部屋だった!とか出来すぎー。そのせいかテーマが重厚な割りに話は軽くなってます。


読み易さについては、英文自体は普通なんですが話の筋が少し複雑なので★2つにしました。この込み入り具合が大丈夫であれば十分楽しめます。