みんなが言う程
似て無くもないと思うのだが……。似顔絵イラストメーカー使用。
テイポグラフィカ
松村君に、テイポグラフィカのCD「God says I Can't Dance」(1996年)と「Floating Opera」(1997年)を借りました。
まだ、「God says」の方しか聴いていないのですが、第一印象は、「電気屋さんのヴィデオ・ゲーム・コーナー」と言う感じ。色んな人が、隣に並んで違うゲームをしている感じです。ちょっと離れた所には、オーディオ・コーナーとかもあったりする様な場所で。
曲を聴きながら、「God says」のライナー・ノーツの後書き(?)を読んでいたのですが……。
「我々の名はティポグラフィカ。しかし残念ながらイタリヤ語だ。 菊地成孔」
“Our name is TIPOGRAPHICA. Unfortunately, it's Italian. Naruyoshi KIKUCHI”
私の少ないイタリア語知識によると、TIPOGRAPHICAはイタリア語じゃないですね。TIPOGRAFICAならイタリア語ですけど。菊地さんはこの頃から、こういったスペルミスに因る幼児語的表現に、美しさを感じていたんでしょうか(例えば、写真の“photo”は、イタリア語では“foto“だったりします)。テイポグラフィカというバンドは、そう言うタイプのバンドでは無いという(勝手な)イメージがずっとあったのですが……。
ティポグラフィカが、TIPOGRAFICAであると仮定して話を進めると、この単語は菊地さんの大好きな女性形の形容詞(原形はTIPOGRAFICO。意味は「印刷に関する」)で、この前にどんな名詞が来るのかを想像させる様になっている訳です。私はこのバンドの事は全然分からないので、全く想像が出来ないんですが……。何でしょうね。MUSICA(音楽)辺りが無難なんでしょうか? そんなに浅い感じじゃぁ無いかな。
それから、ティポグラフィカは、「ティポ」と呼ばれていた様です。イタリア語でTIPOだったら、例えば、Che tipo!なら、「何て変なヤツ!」って意味だし、 (Lui) È un topo.だったら、「彼ってcoolね」って意味になって、凄く菊地さん好みなんじゃないかなぁ、と……。そういう意図があったかは、分かりませんが。
ともかく、「God says I Can't Dance」は、確かに踊れませんけど、思ったよりも聴きやすく、案外落ち着ける一枚の様な気がします。秘ロには、「外山さんのドラム、凄い。カッコイイ」と結構好評でした。
菊地成孔トリオ@名古屋 1999年7月27日 1st set
上記演奏のCDを頂きました(誰から貰ったとか、書いたらマズイんでしょうかね)。今、1st setを聴きながら書いております。菊地成孔トリオ<S-Sax, T-Sax:菊地成孔、El-p:南博、Bass:水谷浩章>
1曲目。Miles Davisの「Blue in Green」。Saxの音域(というのか?)の中で、ソプラノが一番好きなんですが、もの凄い緊張感を感じつつも、伸びやかなS-sax。グッと来ます。南博さんの演奏は、音楽用語で何て言うのか分かりませんが、小説で言うなら、「行間」みたいな所に美しさを感じさせる演奏を、この方はされるんですね。空気感というか……。
2曲目。ジンジャー・リンという、アメリカのポルノ女優の名前を冠したブルース。MCが、メチャクチャ長くて面白いです。また、トレーシー・ローズの話とかしたりして。ブルースって、血で演奏するんじゃないかしらと、素人の私はちょっと思うのです。つまり、菊地さんの血には、ブルースが混ざっていると言う意味です。私も、2回くらい(学生の頃と7年前くらい)、ブルースを歌う羽目に成ったことがあるのですが、もう、全然入って来ない感じでした。練習したって、よくなりそうもないと言うか(苦笑)。
3曲目。Corcovado。ボサノヴァ、と言ってますが、やっぱり、ジャズの人がやると、これもジャズなんじゃないの?と言う感じ(この間のレッスンで、朱先生も言っていたし)。菊地さんは、「ボサノヴァは、ワインの染みたカステラの様でアンニュイ」と言ってます。ワインの染みたカステラ。風邪に良さそうですね。
4曲目。ルペ・ペレスの葬儀(ルペ・ペレスという女性は、タイロン・パワーと結婚した事がある、B-Girlだそうです)。やーー。凄い曲。映画みたいです。というか、映画を撮るべき。凄いとしか言いようがない。ハード。雨の中、夜のドライヴ中に流れたら、確実に泣いてしまいそう。
今夜はもう遅いので、2nd setは、また今度聴きます。