道者の天下取り

道者の天下取り

解説

聖人とは天下をよく治める人である。かつて、道を極めた聖人が天下を治めたのなら、道を行くことは天下を取ることを意味する。道は無為だと言ってみたところで、結局は天下が転がり込んでくるわけだから、どうやって天下を取るかも書いてあるはずだ。そこで、天下を取るための行いと攻撃方法に言及したものをまとめてみた。

・天下は取ろうとすると失敗する第二十九章
・天下は何もしないで取るものだ第四十八章
・何かするようでは天下は取れない第四十八章
・なぜなら人は追えば逃げるから第二十九章
・だから人の先に出ないで後にいて第六十七章
・争わないでへりくだり第六十八章
・いつも損する役に回って第四十八章
・派手なことは避けて強気にならない第二十九章
・こうやって力を借してもらう第六十八章

・兵力で強引に決めると不幸になる第三十章
・講和できれば終わりにする第三十章
・それ以上にやり過ぎると疲れが出て破綻する第三十章
・だから節約する第六十七章
・しかも早めに節約を始める第五十九章
・すると極端なことをしなって国ができる第五十九章

・こちらから積極的には戦わない第六十九章
・嫌な相手は増長させて自滅させる第三十六章
・それでも避けられないときは最低限度にあっさりと戦う第三十一章
・ただしけっして相手を軽く見ない第六十九章
・秘密兵器は最後まで隠して第三十六章
・相手をおびき出す第六十九章
・意外な作戦で一気に勝負をつける第五十七章
・力が拮抗したときは悲しんだ方が勝つ第六十九章
・だから戦争は哀しみの気持ちで臨む第三十一章
・勝って喜ぶ者に天下を狙う資格はない第三十一章
・慈しみを持てば攻めても守っても強い第六十七章

・政治は正しいやり方で治める第五十七章
・正しいとは知恵や道具や法律に頼らない第五十七章
・こうやって何もしないで治める第五十七章
・天下を取ったら引き際を定めて第六十四章
・知恵がなくても生きていける国にする第六十四章

これらの他にも聖人の統治の王道を歩む生き方が天下取りのノウハウを含んでいる。