「エマ」5巻 森薫 コミックビーム ISBN:4757721684

アニメ化小説化も進行中のブリティッシュロマンス第5巻目。魅惑のメイドさん漫画とも。
丹念な背景描写がその作者の知識量と取材量を覗わせてくれるので、英国マニアにもお勧めの一作。
さて、今巻では、ウィリアムの両親の意外な過去編から始まり、
前巻で、ついに再会を果たしたウィリアムとエマの交際が描かれています。
が、そんな二人の密やかな交際を、父リチャードが、そしてキャンベル子爵が許すはずもなく……。

てな訳で作者の森さんが英国取材へ行った第5巻目です。
話数的に言うとこの巻の前半に当たる31話と32話の間みたいですね。
残念ながら、自分の拙い知識ではどの辺りが反映されているかまでは読み込めず…。無念です。
ただ、少なくても森さんの描く人物の線が細くなり、
さらに背景も書き込まれてきているのはなんとなく分かるような。
その辺りはさておいてもメイドさん好きには矢張りこの巻の32話がお勧め。
ラスト5Pを丸々エマの着替えシーンに当ててますし。
また33話目は3巻目のように、屋敷で働くシーンにほぼ当ててますので、
そういったシーンでニヤニヤ出来る人には良いのでは。
しっかし、悲恋の物語になるとは思ってましたが、
ラストの方の展開見てるとマジで悲恋モノになりそうで怖いですよ。
なんというか主人公が主人公だけに。頑張れウィリアム!ハッピーエンドは君次第?

「Canvas2〜エクストラ・シーズン〜」 児玉樹 少年エース ISBN:4047137200

絵画の名門・撫子学園に特待生として選ばれた鳳仙エリスは、北海道から上京し、
今はその撫子学園で美術教師として勤める、従兄妹の上倉浩樹と同居を始める。
が、エリスは昔っからの筋金入りのブラコン。
兄として慕われる浩樹は、そんなエリスに振り回されながらも、失っていた絵画への情熱を取り戻して行く。
めぐる季節の中で浩樹を中心に繰り広げられる恋模様。F&C原作の学園ラブコメディ。

さて、エロゲ原作で現在ゲーム化とアニメ化この↑漫画化とで話題沸騰中(?)の「Canvas2」です。
こちらは原作をベースにしたアナザーストーリーです。登場するキャラと設定はほぼ同じですが、
主人公のキャラとか出てくるイベントはオリジナルなもので構成されてます。
あと、漫画なのでゲームのごとく各キャラ攻略…とはいきませんので。
メインヒロインを鳳仙エリスにしての展開でした。
原作未プレイでしたが、この漫画が面白かったので(エリスたんに萌え過ぎたので)
翌日に原作を近くのヨドバシでゲット。さらに翌々日くらいにとらでファンディスクもゲットする…
という位ハマりました。要するにそれくらいに漫画の出来が良かったと言うことで…。
逆に原作のエロゲの方に落胆する出来のシナリオのキャラがいたくらい。
ていうか原作の菫シナリオの主人公の腐れっぷりが酷かったですよ…。
この「エクストラシーズン〜」4話目の、菫と主人公のような関係で進むのかと思いきや、全く違う方向へ進んでたので。
可奈と紗綾は出番が少なすぎたので、コメントパス。
あとエリスたんも原作よりこっちの方が腹黒くなくて○。
ファンディスクもやると黒さがさらに爆発してて、若干ゲンナリしましたし。
文化祭イベント・最初のコンクールイベントが良かったけれど、これがオリジナルだったのは、
勿体無かったかも。原作でもこのイベントは見たかった……。
原作は1キャラに焦点当て過ぎ+期間が短すぎ。
1日の密度を減らしても良かったから、もう少し学園モノの美味しい所を生かして欲しかったかと。
エリスだけでなく他のキャラにも言える事ですが。
逆に霧は原作の方が優遇されてた気がするので、向こうの方が○かも。
と言うか原作やったら、霧がメインヒロインだったし。
現在は少年エース本誌での連載が始まってるみたいなので、こっちの単行本化をゆっくり待つ予定。
「エクストラシーズン〜」の出来を維持しつつ、今後も連載を続けてくれる事を希望。

「てるてる少年」11巻 高尾滋 花とゆめ ISBN:4592174690

約3年半の連載期間を経てついに完結。平成忍者ロマンス第11巻目。
三島の造反により御城内部は混乱をきたす。
そしてその間に地下迷宮へと逃れた紫信は、城の最深部へと辿り着く。
そこで待っていた松子から、御城の秘密がついに語られる…。
さらには避けられない悲劇が紫信たちを襲う!

ようやく単行本のほうも完結です。
何というか……、最後の松子様・正吾様のシーンを見てると
主人公は誰だったのか…と呟きたくなりました。
才蔵と紫信はおいてきぼり、一緒に読者(自分)も置いてかれたような気が。
まあ、前作の「ディア マイン」を読んで、あの空間に引っ張られてて違和感を感じただけかもしれませんが。
ともあれ現代の御城草子にはひとまずのピリオドが打たれたので、
作者様には次作でも活躍される事を期待。
一応続刊となっている、「人形芝居」の続きが出来れば読みたい所。