また引っ張り出した読み物

哲学の教科書 (講談社学術文庫)

哲学の教科書 (講談社学術文庫)

哲学は思想ではなく、文学ではなく、芸術ではなく、
人生論ではなく、宗教ではなく、科学でもない

本書では、疑う余地のない、さも当然の前提が存在したうえでの行為・現象という部分については「哲学的でない」と述べている。


ところで、人間には思考能力があるという前提を差し置いて、「あらゆる事象に疑問をもつ」という行為そのものに矛盾が生じているのではと思う。
「何故考えることができるのか」という疑問を無視しない限り、「あらゆる事象に疑問をもつ」ということは為し得ないはずで、前提をタブーとする行為は「哲学的でない」という図式にはならないだろうか。