憐 Ren 遠いキモチと風色のソラ

yomimaru2005-12-02

bk1
著:水口敬文 画:シキガワカヤ 角川スニーカー文庫*1

未来から現代へ流刑にされた憐、未来からやってきて憐を刺した眞衣、玲人を狙いつつも連絡の途絶えた『彼』。四人の関係は、眞衣の父によって大きく変わり始め――運命のピュアストーリー完結篇。
最終巻の今巻は、すっかり現代に馴染んだ憐よりも、現代に触れて心惑わす眞衣に焦点が当たっていて、「○○のあやつり人形だった私の自立」という、やはり少年ドラマシリーズっぽい展開。図書館に通っては本を読み、好きで仕事をする図書委員に出会って、自分の生き方に疑問を持つようになり、と、監視官に比べて考えの揺らぎが若くて蒼いところ、いいですね。
憐と未来との結び付きの象徴だった《ナイフ》の行く末が最高。昔の《男》と訣別して新しい人生を進み始めるなら、やっぱりこのシーン、この行動、この輝き。完璧なラストでした。