金春屋ゴメス

yomimaru2006-02-19

bk1

日本国内の鎖国独立国家「江戸」に帰ることになった辰次郎。竹芝埠頭からの道行、幼少の頃に過ごした「江戸」の苦い味の記憶が蘇る――第17回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
テーマパーク的に作られた都市がやがて国家のような特別な場所に育っていく様は、ゼウスガーデン衰亡史(小林恭二) *2を思わせますが、本作は、その一時期に起きた事件をとりあつかったもの。
美琴姫様騒動始末(結城恭介) *3や化け猫じゃらし(高橋夕樹) *4に似たなんちゃって時代劇の匂いがたまりません。
主人公辰次郎のセリフにやたらと「!」が出てくるところは、ハードカバー単行本というよりはライトノベル文庫の雰囲気。なんでもありのラノベの感覚と、ラノベではあまり受けない(?)時代劇の組合せが、ファンタジーノベル大賞で花開いた感じですね。

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