ママの友達

yomimaru2007-05-25

bk1
著:新津きよみ 画:小林直未 光文社*1

典子の元に30年ぶりに届いた4人グループの交換日記。ところが最後の書き手は1週間前に殺されていた――不惑を超えた女たちの友達の物語。
殺された淳子、娘との関係に悩む典子、シングルマザーの明美心ない夫との関係に疲れた久美子の現在の状況と、間に挿入される中学生当時の日記との落差は、愛すべき娘たち(よしながふみ) *2的。
犯人探しのミステリーではなく、解くべき謎は何なのか、を見極める系の作品。推理小説的なフェアな伏線を張るのではなく、出てくる女性たちの体験を隠喩にする形式の謎解き。文学少女シリーズ(野村美月) *3やバクト!シリーズ(海冬レイジ) *4同様、挿話の聞き手・読み手は誰なのか、が結末に効いています。
友達はいるか、その人の下の名前(ファーストネーム)は何か、わからないなんてそれは本当の友達か、と母を問い詰める美咲、この二人の会話にドキリとさせられます。
登場するメディアがテレビに固定電話で、この状況なら確かに交換日記は有効な手段。現実世界ではどれだけ生き残っているのか、携帯メールにどれぐらい押し流されているのか、中学生の携帯所有率はどれぐらいか、なんてことに、ちょっと興味を覚えました。

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