メグとセロン I 三三〇五年の夏休み〈上〉

良家の子弟有閑倶楽部の敵は皆大人

言葉がいまひとつ不自由な留学生メグに一目惚れしたモテ系男子セロンは、いつまでたっても彼女に声がかけられず、肉体派の友人ラリーに相談するが――有名人の師弟が集う綺麗っ子純情学園モノ。
ハンサムな男の子といえど好きな女の子の前で意識すると何もできず、の展開は、『OH! われら劣等生徒会』(愛田真由美) *2 *3 *4や『北里マドンナ』(氷室冴子) *5を思い出すせいか、少女向けのストーリーを読んでいるような気分になります。作者のファンには女子も多いという噂にも納得。
留学生のメグの言葉遣いが特徴的で、香取慎吾ベトナム人菅野美穂が中国人留学生を演ずるドラマ『ドク』*6に通じる丁寧語。留学生差別をベースにこういう風に攻めるやり方もあったか、という感じ。
あらすじでは「実は正義感あふれる」ことになっているメグですが、今巻ではその正義感はまだ十分には発揮されていません。次巻では、一目惚れのセロンがメグの正義感に惚れ直す展開に期待。

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