ごくペン!

何の因果かヤクザの頭

一緒に東大に入ろうと約束した幼馴染み 凛子に再会すべく真太郎が入学した高校はヤンキーの吹き溜まりで、彼女は仁侠を極める女親分に――手前生国と発しますところコメディ、第5回MF文庫Jライトノベル新人賞審査員特別賞受賞作。
彼女と東大に行くことを誓い合うきっかけになった漫画は、たぶん『ドラゴン桜』(三田紀房) *2を想定しているのだと思いますが、話全体の雰囲気からすると、『東大一直線』(小林よしのり) *3や『エリート狂走曲』(弓月光) *4の方がマッチしている感じ。
ヤンキー生徒にツッコんだのがきっかけで一目置かれるようになる、と、真太郎の境遇は何だかうまくいきすぎている感じはしますが、彼自身の生徒達に対する偏見や事なかれ主義でもめごとを避けるところは、何とも小市民的。
変わり果てた凛子の姿を見て、真太郎がどう変貌していくのか。真太郎の姿を見て、生徒達はどう変わっていくのか。クライマックス対決の展開は、超燃えます。ハイパーヨーヨーの使い手のボクっ娘 切原菊枝は、『超速スピナー』(橋口隆志) *5の霧崎マイとは、また違った魅力を見せてくれます。
ヤンキーに対して《コンプレックス》を抱くオタク系優等生なら是非。お薦め。

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