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トレント・レズナーは何を間違ったのか

NIN は今も好きだけど、この件に関しては、トレント・レズナーが間違っているとしか思えない。ただその観点は Michael Arrington とも heatwave さんとも異なる。

トレント・レズナーの間違い、それは適切な価格設定を怠ったことだ。今回は無料、もしくは5ドルの値付けだったわけだが、それで無料を選んだ人が多かったからといって落胆されても困る。

単に適切な価格設定を行えばいいだけじゃないか。通常版の適切な(つまりリスナーが手頃だと感じ、かつアーティスト側も利益を確保できる)価格が3ドルなら3ドルで売れよ。プレミアム版の適切な価格が5ドルなら5ドルで売れ、それだけの話じゃないか。

その上で、これまで Saul Williams を知らない人にもリーチしたいなら、例えば1曲無料で聴けるサンプルをアルバムとは別に用意すればよい。

オンラインで何かお金を払うとなれば、余分なクリックなり余分な入力を要する。それが省けて無料という選択肢があれば、有料版しかなくても買った人であれ多くが無料を選んでおかしくない。

リスナーを盗人扱いするレコード会社はむかつくが、(当人にそのつもりはなかったにせよ)魅力的なエサを見せておきながら、それを選んだリスナーに予想が外れたと嘆く「良心的アーティスト」とやらもはた迷惑だ。

なお、その後レズナーが漏らしている「音楽税」については Michael Arrington は口を極めて罵り、heatwave さんも「未だに意図がわからないんだよなぁ」と書いているが、「税」という言葉はイメージが悪すぎるし、ここで出すには適切でないだけだろう(だって実際税金じゃないんだし)。

そうでなく実際にはタダで提供しているわけではないにしても、それをタダだと思わせる「包括的な広く薄い料金徴収」と考えればおかしな話じゃないと当方は考える。それについては以前書いているし、当方の考えは基本的に変わっていない。

デジタル音楽の行方

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