5年かけて完成のトマトソース(用途様々)

いつも、和食が恋しいと、日本食の話ばかり書いているので、
「いったいあんたはアメリカで何やってるの?」
と言われそうなのですが、
ちゃんとアメリカ食も作ってます。相方と一緒の食事の時に限りますが、
今は彼が家で仕事をしているのと、
私も学校が週3日だけ(しかも一日は夜のみ)ということもあり、
一緒の食事の回数が増えてます。
相方も私の夜の授業のある火・水の夜は、
彼なりに作っておいてくれることも増えました。
(と言っても主に冷凍食品系か、手作りピザですが)


私がこの4年半で、色々試行錯誤してやっと満点貰えるようになったのが、
トマトソース(ぴり辛・ガーリック多め)。
元々、元同居人Dが料理上手で、
彼が作るのを見よう見まねだったのですが、
昨年末購入した「クック膳」を使うことで、
私好みの「濃厚トマトソース」を短時間で作るのに成功しました!!

スケーター クック膳 ホワイト MWC1

スケーター クック膳 ホワイト MWC1


要は電子レンジ用の調理鍋なのですが、
これが結構、いやかなりお役立ちアイテムで、
野菜を蒸すにも、ちょっとした煮物をするにも、
ちょっとの量を作りたいときにぴったり。
我が家は二人しか居ないし、和食のお惣菜類も、
相方はちょっとは食べますが、大抵私が数日食べることになるので、
この3〜4食分くらいの量は丁度いいです。


更に、私は
「ものぐさ」「せっかち」でも「食べるのが好き」
という困った奴なので、
普段の料理でもしょっちゅう、
「玉ねぎをあめ色になるまで炒めるのは面倒→電子レンジでしんなりさせてから炒める」
「ラーメンに野菜を乗せたいけれど、フライパンを出すのがおっくう(おいおい)
→電子レンジで、野菜にごま油を垂らしてチン」
などという手抜きを行っているのですが、
クック膳のおかげで、手抜きなのにそれっぽくないという、
「詐欺のような料理」になっています(笑)


ということで、トマトソースのレシピを覚書として・・・。
ポイントは、ダシとなる物を入れること。
ベーコンかアンチョビが望ましい
材料
1.缶詰トマト(さいの目切りでガーリック+バジル+オレガノ入りだと更に手抜き度が増す)
2.(普通のプレーンのトマト缶の場合)バジル、オレガノ少々
3.にんにく(みじん切り。これも既にみじん切りの物を使えば更に手抜き度アップ)
4.オリーブオイル 大匙1程度
5.ベーコンかパンチェッタ(イタリアの丸いベーコン)かアンチョビ(これがダシになる)
6.コンソメスープの素(ブイヨンなどスープの素でOK)少々
7.辛め希望の方は、鷹の爪とホットソース(辛いチリソースやガーリックチリソースなど)

手順
1.鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて香りを出す。(辛くする時は、鷹の爪も鍋の上で鋏で切り入れる)
2.ダシになる食材(ベーコンやアンチョビ)を投入。カリカリまで炒める
3.電子レンジで3分ほど加熱したトマト投入。ぐつぐつになるまで煮る。
4.コンソメスープの素を入れ、味を見る。
5.トマトを潰す(ハンドミキサーやバーミックスがあればそれで一気にクリーム状に出来ます。無ければしゃもじで、潰します。3の電子レンジの後にある程度砕いてもいい)
6.ホットソースを入れて、味を見て完成。

クック膳を使う時は、1〜3までの段階を全て電子レンジでやって、
ハンドミキサーでトマトを砕いた後で、鍋に移します。
普通にレンジで加熱してもいいのですが、
クック膳だと、蒸し煮状態になり
火の通りも早く、柔らかく仕上がります。
ある程度、トマトの形が残ってもいい感じですが、
我が家の場合は、完全に砕いてトマトの原型は留めないソース状態です。
慣れると、20分くらいで出来てしまうので、
パスタを茹でるお湯を沸かしながら始めて、茹で上がった頃には、
出来上がっています。


普通にショートパスタに混ぜても、
ラビオリに掛けて、その上にチーズとパン粉を掛けて
オーブンで焼いても美味しいです。
ピザソースの代わりにもなるので、
多めに作って冷蔵庫に保存しておいてもいいし、
このトマトソースはかなり頻繁に我が家の食卓に登る一品になりました。

クリーム・チップド・ビーフ

その昔、私は大草原の小さな家のシリーズを読みまくった時期があり、
小学校の高学年くらいだったのですが、
その時に出てきたたくさんの「ローラの母さんが作る美味しそうな料理」に、
うっとりとしたものでした・・・(笑)
(当時から食いしん坊だった・・・)
数あるインガルス一家の食事の支度の描写の中に、
「干した肉」やら「塩漬けの豚」という、
私の家の冷蔵庫ではお目にかかった事が無い食材が書かれていたのも、
これまた想像力を膨らませる一因だったりしたのです。
(お察しの方もいるかもしれませんが、私は赤毛のアンシリーズも読んで、
いちご水とは何ぞや?と思ったクチです。)


そして、20年後、私はアメリカのダイナーで朝食を食べた時、
初めて「クリーム・チップド・ビーフ」なる物を食べたのですが、
ホワイトソースが好きな私は、このメニューが大好きになりました。
作ってみたいなぁと思って、スーパーマーケットに行った時に、
聞いてみたら、加工肉のコーナー(ハムやベーコンが置いてあるセクション)に行き、
「ドライド・ビーフ」の袋を、籠に放り込みました。


そう、これがあの「干した肉」の正体だったのです。
ビーフジャーキーよりかなりの薄切りで、
干した薄切り肉(実際はスモークしてあるらしい)。
その袋の裏には、ダイナーで食べたあのメニューのレシピがありました。
早速家で作ってみたら、これが簡単だった(笑)
更に、私が元々母から教わっていたホワイトソースのレシピと合わせて、
私のオリジナルになりました。

ということで、クリーム・チップド・ビーフのレシピ
材料(1〜2人分)
1.ドライビーフ(1袋。多分100gくらい?)千切りにしておく。
2.バターまたはマーガリン(大匙2)
3.小麦粉(大匙3〜4)
4.牛乳1.5カップくらい
5.スープの素(コンソメがベスト。でもチキン味でもOK)
6.塩・胡椒(あら引きだと尚良し)
7.トーストや蒸したポテト、一緒に食べたい物

作り方
1.フライパンを熱し、バターを溶かす。
2.溶けたバターの上に小麦粉を入れ、しゃもじで練ってペースト状にする。
3.弱火〜中火にして、牛乳投入(少しずつ入れて滑らかにしてもよし。一気に入れて小麦粉ペーストを潰しながら混ぜてもよし。要は適当・・・。)
4.小麦粉ペーストの塊が無くなり、とろみがついてきたらスープの素を入れ、味を調え、
塩胡椒する。とろみがあまり出ない場合は、ここで小麦粉を少し足してみてもいいです。
5.刻んだドライビーフを投入。しんなりしてきたら出来上がり。
6.トーストやポテトの上に掛けても良し。脇に添えても良しです。

これは相方からのリクエストトップ3に入る朝食メニューになりました。
相方は、トーストの上に掛けるのが好きで、
ソースと共にトーストをナイフで切って食べます。
私は、脇添え派で、トーストにちまちまつけながら食べるのが好きです。
ただ野菜不足になりそうなので、
たまに茹でたブロッコリーやアスパラも添えることもあります。
クリームソース好きの人にはお勧めです。


それにしても、一つ疑問なのは、私の住んでるペンシルバニア周辺では、
このホワイトソースを「グレイビー」と呼ぶのですが、
グレイビーは直訳すると「肉汁」で、
よく肉を料理した後に出た肉汁から作るといわれていますが、
このクリーム・チップド・ビーフはどう考えても、日本で言う
「ホワイトソース」なんです。
何故なのかしら?? 未だに疑問です。


尚、このレシピ、ドライビーフを抜かせば、
グラタンやドリアにも使えるソースなので、かなり使えます。
ちなみに、ドライビーフを切らしていて、
ウィンナーを使っても美味しく出来ました。
小麦粉の分量で、とろみ度合いを変えることが出来ます。


・・・ということで、私の小学校の頃の
インガルス家の夢の食卓の謎を一つ解いたような気持ちになった一品なのでした。
アルマンゾの焼いたそば粉のパンケーキも
ミックスを見つけて作ったり、そういう文化の探索も面白いです。
ということで、私のアメリカ食の探訪は、
子供の頃の読書体験で見つけた謎解きだったりします。