風の神様からのおくりもの


 風の神様からのおくりもの6


「女の子も助かったし、さてわし
も社に帰って休むとしよう」
神様はまた風になって、守屋山に
帰りました。



「小桜姫、小桜姫。聞こえるかな。
風の神じゃ。伊那谷の女の子はあ
ぶない所で助かってよかったのー。
しかしこれから大変じゃのー。
わしも毎日あの子が元気に育つよ
う祈っているぞ」



「風の神様、あの子を助けていた
だき本当にありがとうございました。
いちじはどうなることかと私もはら
はらしましたが、風の神様のおかげ
で助かりました。



本当にありがとうございました。
このご恩は一生わすれません。
これからもどうかあの子のことを
よろしくお願いします」


             つづく



「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。







心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。


信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。



風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




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   できます。
    
   送料は無料です。


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平成の歌49


アルバムを見つつ夫在りて四人の子と

   移り住みたる村々を思ふ



古里の水車小屋跡に佇めば

   姉さんかぶりの母の面影



子の好む鯉濃汁の煮付方

   帰国せし嫁は電話で問ひくる



庭隅の紅葉極まるハナノキよ

   植ゑて逝きし夫思ひて仰ぐ