上海蟹
これだけ中国で長いこと生活していても、実は食べたことのない料理ってたくさんあって、その筆頭が「上海ガニ」。
で、今日その記念すべき第一回上海ガ二をいただく機会に恵まれ。しかも奢り! うほほ〜い! しかもディンタイフォンだ〜い! うほほ〜い!
しっかし、面倒くさい食べ物でございました。「たらば〜っ!!」とか「ずわい〜ぃ!!」とかのでっかいカニに慣れてしまうと、人は“カニ横着”になりますな。
初心者らしくまずは、店員さんに食べ方の模範演技をしていただき、合点心得た、という段で実食。私はちょっと意地汚い性格なのか、全部剥いてから食べたいと、延々と剥き続け、みんながもう食べ終わった頃、ようやく箸をつけ、「性格悪〜ぅ」と嫌われました。
15分かけて剥いた上海ガニも、食べたら2口でした。有難いのか何なのか?
そういえば、私は甘栗の皮を剥くのが好きで、一袋全部剥いてから食べようと、チャレンジしたことがありました。日本で。しかも一人暮らしのときに(暗っ!)。こたつの縁に沿わせて、剥き上がった栗を一個一個きれいに並べていったところ、一周しなかったんですよ。殻は大量に出るのに、中身はこんなちょびっとしかないのか、と世間の厳しさを身に沁みつつ食べました。でもね、あれは全部剥いてから食べるもんじゃありません。一個一個剥きながら食べるから、風情があるんですね。なんか侘しいわけですよ、全部剥いちゃうと。
…ところが、その数年後、「甘栗むいちゃいました」なる不届きな商品が発売になり、大ヒット! うそ〜ん、日本人ってそんなに風情を知らない国民だったの〜ぉ、とスーパーの陳列棚の前にへたりこみましたよ、私は。
今や、甘栗は剥いてあるのに限るという人もいる世の中ではございますが、たまには剥いてみるのも、いいもんですよ。手先を使う習慣つけておくと、老後の宝にもなります故。
あ、すっかりカニの話を忘れておりましたが、ディンタイフォンさんのおいしい台湾料理と小籠包も堪能し、おなかぽんぽこぽーんで帰宅。幸せな一日でございました。
あと、食べたことのない中華料理は、ツバメの巣とふかひれの姿煮です。心優しいお金持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひごちそうしてください。