いいことを読んだが、
はてどの本でどの方が書いていたのか、
数日間、思い出せなかった。
言わんとする内容は記憶していたが、
検索するにはあいまいな言葉の断片しか覚えておらず
見つからない。
NHKラジオ 実践ビジネス英語 2017年 4月号 [雑誌] (NHKテキスト)
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2017/03/14
- メディア: Kindle版
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同居人との共同勉強部屋「ちぐら庵(仮称)」で
杉田敏先生の「NHK実践ビジネス英語」を勉強していて
もしや、と思い手近の一冊を手にとってパラパラめくっていたら
その言葉に再会した。
田中菊雄『英語研究者のために』
第四章「英文解釈と翻訳」から引用する。
それゆえに、本当の解釈力を養おうと思う者は、
まったく単独の力で、原文と組打つ覚悟が最も大切である。
ただ一に辞書を頼りとして原文と格闘(かくとう)する
—この意力が最も大切である。
また、どうしても解らぬ箇所は、
そのまま疑問符を付けておいて、先を読み進むがよろしい。
すると先に難解であったところが自然に解けるものである。
- 作者: 田中菊雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/01
- メディア: 文庫
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長く品切だったがようやく復刊。英語研究者/学習者の基本書であり名著)
原文そのままではなかったが
僕が記憶していたのはこの文に続く次の一節である。
多くの場合、後段は前段の註であり、
後章は前章の註であり、
全体は部分の最良の註である。
だから難解な書物は必ず全体を読了した後に、
さらに初めに帰って再読し、またさらに三読すべきである。
「読書百遍意おのずから通ず」とは正にこの事である。
(pp.31-32より引用)
(高畠素之訳『資本論』第1巻第1冊)
田中先生は英語原書を読む際の心得を書いているが、
同志社・佐藤優講座で僕が学んだ学術書の読み方がまさにこれだった。
アントニー・スミス『ネイションとエスニシティ』、
カール・マルクス/フリードリヒ・エンゲルス『資本論』など
その分野の基本書はこの読み方をしなくては歯が立たない。
- 作者: A・D・スミス,巣山靖司,高城和義
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 1999/06/10
- メディア: 単行本
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逆に言えば、
田中先生、佐藤講師が推奨する読書法を
自家薬籠中のものにすれば
これまで難解に思えた英語原書、学術書、基本書を読み解くことができる。
その経験があったからこの一節が記憶に残ったのだった。
wikipedia:田中菊雄
(文中一部敬称略)