医師逮捕・詳報(下)〜報告書 結論ありき(朝日)
http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000603160004
県病院局が、05年1月に事故調査委員会を設置したのは、「原因を調べて再発防止に役立てるため」(秋山時夫局長)だった。2カ月後に公表した報告書は、「無理に胎盤をはがした」点などについて医療過誤を認めた。
だが、佐藤教授は「報告書は、始めから結論ありきだったのでは」と指摘する。
「『過誤がない』という結論では、遺族に補償ができないから困る。そういった示唆が、県側からあった」と、調査にかかわった複数の関係者が声を上げているからだ。
報告書をまとめる際に遺族との交渉が念頭にあったことを、県病院局側も認める。ただ、その当時、加藤医師が逮捕されるとは思っていなかったという。
その報告書が、当初の目的を果たしているとも言えない。
こういった問題のため、無過失補償制度の整備が必要だと思うのです。
一方、遺族は今も、医師や病院を許してはいない。
女性は、初めての子どもを、大野病院から車で15分ほどにある民間の総合病院で産んだ。遺族はなぜ2人目のとき大野病院を選んだのか、と悔やんでいる。
ご遺族は決して悪くありません。被害者であるし、そのやり場のない哀しみを、目の前の担当医に向けるというのは自然な感情だとは思います。しかし、本当に怒りを向けるべき存在なのかどうか、時間と共に冷静に考えて頂きたいとは思っています。
医者の多くが、今回のケースが癒着胎盤という稀な疾患であった以上、大野病院を選ばなかったとしても、同じ結果となっていた可能性が高いと考えています。大野病院での治療があまりにも杜撰であったのならば、場合によっては刑事罰を受けるという可能性を否定はしません。しかし、今回のケースは、結果論として「より妥当な」医療が存在したかもしれないとはいえ、おおむね、良心に基づいた適切な医療が行われたと思われるのです。だからこそ、多くの医者が、専門領域も年齢も地域もこえて、この逮捕を不当と考え、声をあげたのです。
産婦人科医会・産科婦人科学会地方部会の声明
http://www.jaog.or.jp/
とても全部は追いかけ切れませんが、様々な地方から抗議の声があがってきたようです。