松の剪定

■松の剪定
 今日は天気が良く。午前、午後と実習であった。松の剪定などやるものではないと考えていたが、だんだんと様になっていく姿に変わるにつけ愛着が沸いてくるから不思議だ。
 先生に3回ほど問題点を指摘されようやく合格が出た。やはり自分のが一番いい。やれやれと思っていると次は別の松を指示される。今度のは、どうしたらここまでほったらかしにできるのかというほどのボサボサであった。あせらず、つまつまと取り組む。
 コツがわかった。脚立を上手に立てることができれば仕上がりはよくなる。これは、手が届くからである。
 今後の予定は、来週以降毎日のように全員で学校中の松を剪定し、実習は雪つりに入るようだ。さっそく、ロープワークが予定に書かれた。その後、公園で実際の木を剪定するようである。

■「木を知る・木に学ぶ」(石井誠治著、ヤマケイ新書、2015年)を読む。
「無駄な行為はしないことが木の養生訓なのです。」
「木から気をもらい、心安らかに人間社会のストレスから解放される。」
「葉と芽と花・・・歯と目と鼻」
「維管束とは、根から吸い上げた養水分が通る木部(もくぶ)と、葉でできた光合成産物を受け渡す細胞師部(しぶ)(師管)がセットになり、縦につながってできた束です。」
「形成層は木部導管から細胞を作る材料として水に溶けたイオン状態の窒素、リン酸、カリウムや微量元素を受け取り、師部細胞からエネルギーを得て木部を内側に作り、外側には樹皮を作っていきます。」
「葉の温度を下げる効果が、気功からの蒸散です。」
「花と葉が一つの芽に入っているものを混芽(こんが)といいます。」
「メイプルシロップ〜サトウカエデから採取する樹液を煮詰めたものです。」
「庭に植えられたウメにメジロが花蜜を吸いに来て、花の中にくちばしを入れている姿が花札にある『ウメにウグイス』です。」
「無花粉スギばかり植えられたり〜長い目で見ると影響があるでしょう。」
「花がたくさんつくことは、実がならないということです。」
「シイタケやエノキタケ、ナメコ、ブナシメジ、マイタケなどは皆、木材腐朽菌で〜」
「オニシバリ〜秋から冬に光合成を行う〜」
「〜球果をつける針葉樹の仲間をコニファー(球果類)と呼びます。」
「地球環境は乾燥化に向かっているようです。乾燥に対する対策が進んでいるイネ科〜乾燥の時代を生き抜く力を持っているようです。〜草の時代になっていくでしょう。」
「アオキは3〜5mに生長すると、その場で受ける光の量に応じて、幹から枯れ始めます。〜自らの樹体を捨てて根元から新しい芽を出して再生するのです。」
「松脂(まつやに)は漏出したときは透明ですが、固まってくると淡い黄色になり、よい香りがします。これを粉にして滑り止めとして使うのがロージンです。」
「アオスジアゲハというきれいなアゲハはクスノキが食草です。」
「サクラにとってクマリンは菌や虫に対する防御物質です。〜クロモジ〜この香りはシカの食害を防ぐ香りなのです。」
「カンザンの花を咲いたばかりのころ摘んで、梅酢に漬けて色を留め、塩漬けにした花びらをお湯で戻せば桜湯になります。」
「ピンクの花色は鳥媒介であることを示唆している」
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿・・・・サクラは梅ほど頻繁に剪定しなくてもいいですよという戒めのことわざで、サクラを切ってはいけませんと勝手に解釈するほうが、樹木に対して無理解と言えます。」
「ウルシを使ったメニューがレストランにあります。」
「身近な生活に使われない文化は衰退してしまいます。」
ツツジとサツキ・・・目安としてはおしべの数でサツキは5本、ツツジは大半が10本です。」
イチョウの葉は鴨の水かきのある足に例えられ“鴨脚樹”という漢字を当てられて日本に伝わりました。鴨脚樹の発音はヤーチャオ。これがイチョウという和名の元です。」
「ブナの木部は腐りやすいため、木偏に無と書いて橅の字を当てると言われています。」
「前年秋に結実したブナの種子は、乾燥する間もなく雪の下の湿度100%、気温零度の世界で生き延びることになります。」
「現生種のブナには二つの系統が見られます。ブナのように実の柄が短い種類と、イヌブナのように実の柄が長い種類です。」
「日本ではブナヒメシンクイというガが発生して、ブナの実の中身を食べてしまいます。」
能舞台の背景に描かれるマツが影向(ようごう)の松なのです。」
「〜マツを弱らせた真犯人としてマツノザイセンチュウという1mm足らずの材線虫が発見されます。」
「日本ではブナ科のコナラ属で常緑の木を樫(かし)という字で表し、コナラ属で落葉する木を楢(なら)という字で表します。」
「クリタマバチはクリの新芽に産卵し、芽が膨らんで虫こぶを作ります。」
「駄目になりかけた物事を復活させる手段を比喩的に“カンフル剤”ということがありますが、これはクスノキ由来の樟脳のことだったのです。」
「木を知るには土を知れ」