スティールに買われる会社はまだあるぞー

先週、久々にスティール・パートナーズの記事を目にして、「まだいたんだ・・・」と思って、乱用的買収者と断じられたのはもう1年以上前なんだと時間の早さにビビった。

ティールとブルドック、サッポロ、アデランスのときには、完全にこの人達はグリーンメーラーだなーと思ってました。という後だしジャンケン。理由は2つ。

まず、眼のつけどころがうまい。ソースもビールもカツラもお菓子も、市場は飽和しきっているにもかかわらず各社が熾烈な競争を繰り広げている。そのため、ひとつでもプレーヤーを減らして競争を緩和させたい、競争相手を取り込みたいとの思いが強い業界であると言える。ブルドッグもサッポロもアデランスもグリコも売りに出されたらホワイトナイトがあらわれそうな企業を狙って株を買っているのです。実際に明星食品日清食品が買ってくれました。
市場の成熟度、競争環境、プレーヤーの強みなど研究し尽くして銘柄を選定しているのはグリーンメーラーとして眼が利くということなのでしょう。


2つめは短期的に株価を上げることしか言ってこないことです。短期的な視点で経営責任を問うたり、事業の整理やキャッシュの整理を求める。企業は長期的な成長のためには必要な投資やお金もあるし、やるべきこともある。でも、私の知る限りですが本気で長期的な企業価値の向上を目指そうとした言動が見られません。
短期的な思考でしか言葉を発しないので、ホイホイと言うことにしたがっていたら長期的な成長に必要な資源をズタズタにされる危険性があります。


ホワイトナイト狙いということはスティールが選んだ銘柄は他社がほしがる何かがあるということで、認められた存在であるかもしれません。でも、スティールに買われるということは隙があったのも確か。長期的な成長を支えてくれる株主を増やす経営とは何かを常に考えなければいけないのかもしれません。