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リハ医の独白 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-04-12 ADL維持向上等体制加算に関する厚労省の迷走

ADL維持向上等体制加算に関する厚労省の迷走

 ADL維持向上等体制加算に関する厚労省の見解が迷走し、現場を混乱におとしいれている。

【関連エントリー】


 上記関連エントリーで、ADL維持向上等体制加算の療法士専従要件に関し、私は次のような解釈をした。

 必要があって、疾患別リハビリテーション料等を行なった場合には、ADL 維持向上等体制加算を算定しなければよいということになる。専従療法士は、疾患別リハビリテーション料等を担当する専従者との兼務はできないとなっているが、これは回復期リハビリテーション病棟の専従要件と同一である。したがって、ADL 維持向上等体制加算専従療法士は、その病棟内であれば疾患別リハビリテーション料等を算定することは可能と私は判断する。最終的には、疑義解釈で確認することになると推測する。関連エントリーでは「期待はずれ」と表現したが、上記解釈に従うならば、高度急性期・急性期医療機関で本加算が一気に普及する可能性がある。


 しかし、私の希望的観測に反し、FAQ |医療保険(平成26年度診療報酬改定:リハビリテーション関連)「PT-OT-STネット」をみると、3月15日開催日本理学療法士連盟研修会でADL 維持向上等体制加算について厚労省官僚は次のように述べている。

Q.1) ADL維持向上等体制加算における病棟専従常勤療法士が病棟内でリハビリテーションを行った場合、疾患別リハビリテーション料の算定は可能か?

A.1) 算定は出来ない

 上記情報を元に、本ブログコメント欄でも、疾患別リハビリテーション料算定は不可ではないか、という意見が寄せられた。


 ところが、上記見解は覆されてしまった。平成26年度診療報酬改定について |厚生労働省に、4月10日付でアップされた疑義解釈資料の送付について(その3)には、以下のように質疑応答が記載されている。

(問2) ADL維持向上等体制加算において、病棟専従の常勤理学療法士等は疾患別リハビリテーション等を担当する専従者との兼務はできないのか。


(答) できない。

 ただし、ADL維持向上等体制加算の算定を終了した当該病棟の患者に対し、引き続き疾患別リハビリテーション等を提供する場合については差し支えない。なお、理学療法士等が提供できる疾患別リハビリテーション等は1日6単位(2時間)までとする。

 また、当該病棟専従の常勤理学療法士等は、疾患別リハビリテーション料等の専従の理学療法士等として届け出ることはできない。


 注目すべきは、赤字で記載した「なお、理学療法士等が提供できる疾患別リハビリテーション等は1日6単位(2時間)までとする。」という文言である。日本理学療法士協会における見解が大幅に修正されている。しかも、具体的数値を含めた規制は通常は通知で示されるが、この規制は今回の疑義解釈が初出である。


 思うに、ADL維持向上等体制加算の点数設定があまりにも低く、かつ、疾患別リハビリテーション料を算定できないとなれば、本加算が普及しないだろうということに気づいた厚労省官僚が急遽ひねりだした規制案が「疾患別リハビリテーション料は6単位まで」という数値なのだろう。

 単純計算すると、ADL維持向上等体制加算対象者が1病棟30名おり、かつ、呼吸器リハビリテーション料を初期加算・早期加算付で1日6単位稼働日数20日算定したなら、1月あたり25×30×30+(175+75)×6×20=52,500点となる。決して高くはないが、在院日数短縮などの付加価値を考え導入を検討する病院がないとはいえない。

 それでは、地域包括ケア入院医療管理料の専従を兼ねている療法士の場合、地域包括ケア病床で行う1日2単位以上必要な疾患別リハビリテーションはどのような扱いになるのだろう。まさか、そちらも1日6単位までと制限されるのだろうか。疑問はつきない。

 私は、ADL維持向上等体制加算は普及しないと予測する。少なくとも、急性期病棟の場合、病棟専従療法士は配置するにしても疾患別リハビリテーション料をとった方がはるかに簡便で報酬も高い。療法士配置とか研修会参加とかで頭を悩ませたくはない。正直、迷走をきわめる厚労省にこれ以上お付き合いするのはご免という気分になっている。

2014-03-31 PT・OT・ST国家試験合格者発表2014

PT・OT・ST国家試験合格者発表2014

 理学療法士・作業療法士、言語聴覚士国家試験の合格者が発表された。第49回理学療法士国家試験及び第49回作業療法士国家試験の合格発表について|厚生労働省第16回言語聴覚士国家試験の合格発表について|厚生労働省に合格率・合格者数が載っている。


【関連エントリー】


 今年の受験者数、合格者数、合格率は以下のとおりである。

受験者数合格者数合格率
理学療法士 11,129 9.315 83.7%
作業療法士 5,474 4,740 86.6%
言語聴覚士 2,401 1,779 74.1%

 過去5年間の受験者数、合格者数、合格率を示す。

# 2013年

受験者数合格者数合格率
理学療法士 11,391 10,104 88.7%
作業療法士 5,279 4,079 77.3%
言語聴覚士 2,381 1,621 68.1%

# 2012年

受験者数合格者数合格率
理学療法士 11,956 9,850 82.4%
作業療法士 5,821 4,637 79.7%
言語聴覚士 2,263 1,410 62.3%

# 2011年

受験者数合格者数合格率
理学療法士 10,473 7,786 74.3%
作業療法士 5,824 4,138 71.1%
言語聴覚士 2,374 1,645 69.3%

# 2010年

受験者数合格者数合格率
理学療法士 9,835 9,112 92.6%
作業療法士 6,469 5,316 82.2%
言語聴覚士 2,498 1,619 64.8%

# 2009年

受験者数合格者数合格率
理学療法士 9,119 8,291 90.9%
作業療法士 6,675 5,405 81.0%
言語聴覚士 2,347 1,344 57.3%

 2009〜2014年の受験者数を見ると、PTは9,119→9,835→10,473→11,956と増加傾向だったが、2013年に初めて11,391名と減少した。2014年には11,129名とさらに減っている。一方、OTは6,675→6,469→5,794→5,821→5,279と2009年をピークに減少に転じているが、今年5,474名とやや盛り返した。STは2,347→2,498→2,374→2,263→2,381→2,401であり、大きな変動はない。

 養成校急増の一方、PT・OTは受験者数減少というねじれ現象が生じていることを考えると、全国規模で養成校の定員割れが生じているのではないかと推測する。


 第1回言語聴覚士試験があった1999年から今年までの合格率は以下のとおりである。

理学療法士作業療法士言語聴覚士
2014年 83.7% 86.6% 74.1%
2013年 88.7% 77.3% 68.1%
2012年 82.4% 79.7% 62.3%
2011年 74.3% 71.1% 69.3%
2010年 92.6% 82.2% 64.8%
2009年 90.9% 81.0% 57.3%
2008年 86.6% 73.6% 69.5%
2007年 93.2% 85.8% 54.5%
2006年 97.5% 91.6% 62.4%
2005年 94.9% 88.4% 55.8%
2004年 97.9% 95.5% 68.4%
2003年 98.5% 91.6% 42.0%
2002年 95.7% 90.6% 53.8%
2001年 96.9% 94.8% 49.1%
2000年 95.4% 97.5% 42.4%
1999年 93.5% 90.6% 87.9%

 PTは、2010年を最後に90%を割り込んだままとなっている。OTは70%台に落ち込んでいた合格率が久しぶりに80%台後半となった。OTがPTの合格率を上回ったのはこの16年間では初めてである。STは第1回を除けば過去最高の合格率となった。国試の難易度が変化したのか、それとも受験者の質が変わったのかは本データだけでは不明である。

2014-03-22 自賠責、接骨院の請求が5年間で50%増

自賠責、接骨院の請求が5年間で50%増

 自賠責、接骨院の請求急増 ずさん審査で不正横行という記事が、朝日新聞の一面に載った。

 車を持つすべての人が加入する自動車損害賠償責任(自賠責)保険に対し、接骨院からの保険金請求が急増していることが分かった。治療費の基準がなく、請求内容の審査もずさんなため、不正請求が横行。「生後半年の赤ちゃんが腰痛を訴えた」など、現実にはありえない診断がまかり通っている。国土交通省、金融庁など関係省庁は、改善策の検討に乗り出した。


 調べてみると、記事の基礎となった資料が、第133回 自動車損害賠償責任保険審議会議事次第:金融庁の参考資料自賠責保険における医療費請求の現況(PDF:187KB)にあった。わずか3ページだが、医療機関と接骨院の自賠責請求の違いが鮮明に出ている興味深い資料である。

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 上図は施設別の支払い状況である。平成24年度において、柔道整復は自賠責の約20%を占めるに至っている。

 医療機関と柔道整復に関しては、平成20年度から24年度総診療費データが2〜3ページにある。表にしてみると次のようになる。なお、指数は平成20年度を100.0とした値である。


年度医療機関(指数)同件数(指数)柔道整復(指数)同件数(指数)
平成20年度2,639億(100.0)113.7万件(100.0)453億(100.0)14.7万件(100.0)
平成21年度2,593億(98.3)112.6万件(99.1)478億(105.6)15.6万件(105.8)
平成22年度2,609億(98.9)114.6万件(100.8)534億(117.9)17.4万件(117.8)
平成23年度2,661億(100.8)116.4万件(102.4)613億(135.3)19.6万件(133.3)
平成24年度2,669億(101.1)116.3万件(102.3)673億(148.7)21.7万件(147.4)

 医療機関は、総診療費・件数ともほぼ横ばいである。一方、柔道整復は総施術費・件数ともわずか5年間で約50%増となっている。

 平成24年度の一件平均請求額、診療期間別件数構成比は下記のとおりである。


# 医療機関

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# 柔道整復

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 柔道整復の一件平均請求額は医療機関の1.35倍となっている。診療期間は、医療機関の半数が30日以内に終わるのに対し、柔道整復の平均施術期間が106.1日と長期になっていることが要因である。


 平成25年1月9日に行なわれた第131回自動車損害賠償責任保険審議会議事録:金融庁を読むと、次の記述がある。

なお、この治療費につきましては、医科診療以外にも柔道整復関連の施術料の動向にも影響されるところでございます。


柔道整復関連施術料の23年度の状況といたしましては、1件あたりの平均施術料、期間、実日数といった指標はいずれも微増、もしくは横ばいにとどまっておりますが、柔道整復資格者や施術院の増加に伴う受診ネットワークの拡大によりまして、請求全体に占める構成比が請求件数で前年の7.6%から約8.4%に増加し、結果として請求金額も、現在18.0%と増加が見られております。


一方で本件に関する社会情勢についてでございますが、平成21年度の行政刷新会議や会計検査院の指摘を踏まえ、既に健康保険における療養費の見直し等が行われておりますが、さらに本年度、厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会におきまして、柔道整復療養費検討専門委員会が設置され、第1回目が開催されるなど、検討が開始されております。


この委員会におきましては、健康保険における療養費の現状の確認や、平成24年度の健康保険における療養費改定について検討が行われており、引き続き、中・長期課題として療養費のあり方についても議論が行われる予定となっております。


したがいまして、今後、その影響も見られてくるものと思いますので、個別案件における療養内容の確認を引き続き徹底しつつ、委員会での検討内容等、全体の動向を注視してまいりたいと考えております。


 上記資料では、自賠責の収支状況について、次のように述べている。

また、今回の検証の対象であります24年度、25年度でご覧いただきますと、収入純保険料は、24年度が7,064億円、25年度が6,952億円、また、支払保険金につきましては、24年度が8,507億円、25年度が8,365億円と見込んでおります。


以上の収入純保険料と支払保険金との差額が次の収支残の欄でございますが、24年度が1,443億円の赤字、25年度が1,413億円の赤字となっております。


 交通事故死傷者数が減少しているにも関わらず、自賠責支払いは高止まりとなっており、結果として、自賠責は赤字となっている。このまま対策をとらなければ、自賠責保険料引き上げという形でドライバーに転嫁されることになる。


 柔道整復に関しては、健康保険だけでなく、自賠責でも請求状況に疑問が出されている。平成26年1月29日に、日本医師会より公表された労災・自賠責委員会答申【プレスリリース資料】でもこの問題をとりあげている。柔道整復に対する規制強化だけでなく、施術利用者に対する注意喚起など様々な対策がとられることになると予想する。

2014-03-09 在宅復帰を促進する条件が網の目のようにはりめぐらされた改定

廃用症候群でのリハビリテーション料算定は今後困難となる

 廃用症候群に対するリハビリテーション料は大幅に引き下げられ、かつ、算定要件が厳しくなった。廃用症候群は現在でも保険者から目の敵にされており、今後請求が激減することが予想される。

【関連エントリー】


 廃用症候群に対するリハビリテーションを含む疾患別リハビリテーション等の適切な評価については、平成26年度診療報酬改定説明会(平成26年3月5日開催)資料等について |厚生労働省にある平成26年度診療報酬改定説明(医科・本体) の113ページ、および、平成26年度診療報酬改定関係資料 III-1 通知 の292〜309、485、1,141〜1,162、1,328〜1,346/1,573ページにある。


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 廃用症候群に対するリハビリテーション料の対象者は、次のように変更された。

 外科手術又は肺炎等の治療時の安静による廃用症候群その他のリハビリテーションを要する状態の患者であって、一定程度以上の基本動作能力、応用動作能力、言語聴覚能力及び日常生活能力の低下を来しているものであって、心大血管疾患リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料、障害児(者)リハビリテーション料、がん患者リハビリテーション料の対象となる患者を除く。

 大腿骨頚部骨折術後廃用症候群、肺炎後廃用症候群、心不全後廃用症候群、胃癌術後廃用症候群などの病名は、今後許されなくなる。運動器や呼吸器のような施設基準が緩いリハビリテーション料はまだ良い。しかし、心大血管疾患やがん患者リハビリテーション料は施設基準が高く、算定している医療機関が少ない。今後、このような患者にリハビリテーション医療を行なおうとすると、どのリハビリテーション料を算定するか、頭を悩ませる必要がある。


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 リハビリテーション料をまとめたのが、上図である。廃用症候群は約23%減と大きく引き下げられ、他の疾患別リハビリテーション料と大差がなくなった。廃用症候群の比率が高い医療機関にとっては打撃となり、数千万円単位の減収となる。


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 別紙様式22 廃用症候群に係る評価表は、上図のように変更された。これまでの評価表と比べ大きく変更されたのは、他の疾患別リハビリテーション料の対象とならない理由、月毎の評価点数(BIないしFIM)、一月あたりのリハビリテーション量、リハビリテーション内容、などの項目記載が義務づけられたことである。

 書類記載の労力が増え、点数が引き下げられるという嫌がらせともいえる内容となっている。この状況でも廃用症候群でリハビリテーション料を算定しますかという改定である。廃用症候群の対象者は、予備能力の低い高齢者・要介護者が多い。地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)へのリハビリテーション医療の包括化とならび、リハビリテーション医療を弱者から遠ざけることになりかねない問題の多い改定である。

地域包括ケア入院医療管理料算定病床ではリハビリテーション医療過少となる恐れ

 医療機関の機能分化・強化と連携が進められるなかで、中小病院は自らの役割をより鮮明にする必要がある。許可病床200床未満の病院では、急性期を担う一般病棟のなかに地域包括ケア入院医療管理料算定病床を設置するところが増えることが予想される。この場合、地域包括ケア入院医療管理料算定病床ではリハビリテーション医療過少となる恐れがある。

【関連エントリー】


 地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)については、平成26年度診療報酬改定説明会(平成26年3月5日開催)資料等について |厚生労働省にある平成26年度診療報酬改定説明(医科・本体) の38〜39ページ、および、平成26年度診療報酬改定関係資料 III-1 通知 の82〜84、790〜793、1,048〜1,052/1,573ページにある。今回は、リハビリテーションに関する要件のみを抜粋する。


  • (2)  リハビリテーションに係る費用(区分番号「H004」に掲げる摂食機能療法を除く。)及び薬剤料(基本診療料の施設基準等別表第五の一の三に掲げる薬剤及び注射薬に係る薬剤料を除く。)等は、地域包括ケア病棟入院料等に含まれ、別に算定できない。(通知 83/1,573ページ)
  • (3)  (略)また、当該病棟又は病室を含む病棟に、専従の常勤理学療法士、専従の常勤作業療法士又は専従の言語聴覚士(以下「理学療法士等」という。)が1名以上配置されていること。なお、当該理学療法士等は、疾患別リハビリテーション等を担当する専従者との兼務はできないものであり、当該理学療法士等が提供した疾患別リハビリテーション等については疾患別リハビリテーション料等を算定することはできない。ただし、地域包括ケア入院医療管理料を算定する場合に限り、当該理学療法士等は、当該病室を有する病棟におけるADL維持向上等体制加算に係る専従者と兼務することはできる。なお、注2の届出を行う場合にあっては、専任の常勤理学療法士、専任の常勤作業療法士又は専任の言語聴覚士が1名以上配置されていること。
  • (4)  心大血管疾患リハビリテーション料(I)、脳血管疾患等リハビリテーション料(I)、(II)若しくは(III)、運動器リハビリテーション料(I)若しくは(II)、呼吸器リハビリテーション料(I)又はがん患者リハビリテーション料の届出を行っていること。
  • (5)  (3)のリハビリテーションを提供する患者については、1日平均2単位以上提供していること。なお、当該リハビリテーションは地域包括ケア病棟入院料に包括されており、費用を別に算定することはできないため、当該病棟又は病室を含む病棟に専従の理学療法士等が提供しても差し支えない。また、当該入院料を算定する患者に提供したリハビリテーションは、疾患別リハビリテーションに規定する従事者1人あたりの実施単位数に含むものとする。(通知 791/1,573ページ)

 疾患別リハビリテーション料が包括されているにも関わらず、リハビリテーションを提供した場合には、1日平均2単位以上提供しなければならないという規定が問題となる。

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 上記に示した、様式50の3 地域包括ケア病棟入院料等のリハビリテーションの基準に係る届出添付書類(通知 1,052/1,573ページ)をみるとわかるが、入院延べ日数に対する割合であり、休日等を含め1日2単位以上実施するためには、平日は3単位程度は行なう必要がある。

 「地域包括ケア入院医療管理料を算定する場合に限り、当該理学療法士等は、当該病室を有する病棟におけるADL維持向上等体制加算に係る専従者と兼務することはできる」という規定は重要である。前エントリーでも述べたが、おそらくADL維持向上等体制加算の専従療法士は、同加算を算定しない患者に対しては、疾患別リハビリテーション料等を請求できると予想する。この場合、専従療法士は、もっぱら一般病棟の疾患別リハビリテーション料等を算定できる患者対応を行い、地域包括ケア病棟患者へのサービスはしないことになりかねない。また、摂食機能療法が包括対象から外れるという規定を利用して、言語聴覚士を専従配置して摂食機能療法のみを実施するという対策も思いつく。この場合、理学療法・作業療法が実施されない恐れがある。

 いずれにせよ、実施してもしなくても、包括対象のため診療報酬上メリットがないとなれば、経営面では行なわない方が良いということになる。むしろ、1日2単位以上という規定が足かせとなる。中途半端に実施すると量をこなさないといけない。このため、維持目的でリハビリテーションを施行した方が良い患者でも、実施しない方向にインセンティブは働く。週数単位だけサービスで実施する程度にとどめ、届出書類に記載しないという形で対応するところは、良心的であるとさえ言える。

 地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)は、リハビリテーション医療の位置づけの曖昧さのために、リハビリテーションを行なわない病棟(病床)として運用されかねない危険な診療報酬であるという解釈を私はしている。

高度急性期・急性期におけるADL維持向上等体制加算のメリット

 急性期病棟におけるリハビリテーション専門職の配置に対する評価として、ADL維持向上等体制加算 25点 (患者1人1日につき)が導入された。平成26年度診療報酬改定説明会(平成26年3月5日開催)資料等について |厚生労働省にある平成26年度診療報酬改定説明(医科・本体) の109〜110ページにその説明がある。高度急性期・急性期病院と専従療法士の兼務が可能な地域包括ケア病棟入院医療管理料算定病棟とでは、療法士の働き方に大きな違いがでることが想定される。本エントリーでは、前者について記載する。

【関連エントリー】


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 答申時には、ADL 維持向上等体制加算を算定している患者について、疾患別リハビリテーション等を算定できない、との記載があった。平成26年度診療報酬改定関係資料 III-1 通知 の32/1,573ページでは、次のような記載となっている。

  • ただし、当該加算の対象となる患者であっても、当該患者に対して区分番号「H000」心大血管疾患リハビリテーション料、区分番号「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、区分番号「H002」運動器リハビリテーション料、区分番号「H003」呼吸器リハビリテーション料、区分番号「H004」摂食機能療法、区分番号「H005」視能訓練、区分番号「H007」障害児(者)リハビリテーション料、区分番号「H007-2」がん患者リハビリテーション料、区分番号「H007-3」認知症患者リハビリテーション料及び区分番号「H008」集団コミュニケーション療法料を算定した場合は、当該療法を開始した日から当該加算を算定することはできない。

 専従療法士要件に関しては、通知の703〜704ページに次のように記述されている。

  • 当該病棟に、専従の常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士(以下「理学療法士等」という。)が1名以上配置されていること。なお、複数の病棟において当該加算の届出を行う場合には、病棟ごとにそれぞれ専従の理学療法士等が配置されていること。また、当該理学療法士等は、疾患別リハビリテーション等を担当する専従者との兼務はできないものであること。
  • ただし、当該病棟内に区分番号「A308-3」に規定する地域包括ケア入院医療管理料1又は2を算定する病室がある場合には、当該病室における理学療法士等の業務について兼務しても差し支えない。

 必要があって、疾患別リハビリテーション料等を行なった場合には、ADL 維持向上等体制加算を算定しなければよいということになる。専従療法士は、疾患別リハビリテーション料等を担当する専従者との兼務はできないとなっているが、これは回復期リハビリテーション病棟の専従要件と同一である。したがって、ADL 維持向上等体制加算専従療法士は、その病棟内であれば疾患別リハビリテーション料等を算定することは可能と私は判断する。最終的には、疑義解釈で確認することになると推測する。関連エントリーでは「期待はずれ」と表現したが、上記解釈に従うならば、高度急性期・急性期医療機関で本加算が一気に普及する可能性がある。


 ADL 維持向上等体制を算定するためには、通知の704ページにある以下の取組みが求められる。

  • ア 入院患者に対する定期的なADLの評価は、別紙様式●又はこれに準ずる様式を用いて行っていること。
  • イ 入院患者に対するADLの維持、向上等を目的とした指導を行っていること。
  • ウ 必要最小限の抑制とした上で、転倒転落を防止する対策を行っていること。
  • エ 必要に応じて患者の家族に対して、患者の状況を情報提供していること。
  • オ 入院患者のADLの維持、向上等に係るカンファレンスが定期的に開催されており、医師、看護師及び必要に応じてその他の職種が参加していること。
  • カ 指導内容等について、診療録に記載すること。

 別紙様式●は、通知の909/1,573ページにあるが、BI(Barthel Index)のことである。

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 いずれも、リハビリテーション医療関係者にとってはさほど難しいものではないが、受入れ側の病棟医師・看護師の意識改革が必要となる。


 医師要件は、通知の704/1,573ページにある。なお研修要件は平成27年4月1日より適用される。

  • (2) 当該保険医療機関において、以下のいずれも満たす常勤医師が1名以上勤務していること。
    • ア リハビリテーション医療に関する3年以上の経験を有していること。
    • イ 適切なリハビリテーションに係る研修を修了していること。
  • (3)  (2)の要件のうちイにおけるリハビリテーションに係る研修とは、医療関係団体等が開催する急性期のリハビリテーション医療に関する理論、評価法等に関する総合的な内容を含む研修であり、2日以上かつ10時間以上の研修期間で、修了証が交付されるものである。なお、当該研修には、次の内容を含むものである。
    • ア リハビリテーション概論について(急性期リハビリテーションの目的、障害の考え方、チームアプローチを含む。)
    • イ リハビリテーション評価法について(評価の意義、急性期リハビリテーションに必要な評価を含む。)
    • ウ リハビリテーション治療法について(運動療法、作業療法、言語聴覚療法、義肢装具療法及び薬物療法を含む。)
    • エ リハビリテーション処方について(リハビリテーション処方の実際、患者のリスク評価、リハビリテーションカンファレンスを含む。)
    • オ 高齢者リハビリテーションについて(廃用症候群とその予防を含む。)
    • カ 脳・神経系疾患(急性期)に対するリハビリテーションについて
    • キ 心臓疾患(CCUでのリハビリテーションを含む。)に対するリハビリテーションについて
    • ク 呼吸器疾患に対するリハビリテーションについて
    • ケ 運動器系疾患のリハビリテーションについて
    • コ 周術期におけるリハビリテーションについて(ICUでのリハビリテーションを含む。)

 リハビリテーション科専門医は研修対象からはずしても良いとは思うのだが、おそらく受講しなければいけない。リハビリテーション医学会が主催する研修会の講師となる先生はかなり忙しくなる。


 対象者要件、アウトカム要件は、通知の704〜705/1,573ページにある。届け出書類は、通知の1067〜1,068/1,573ページにある。

  • (4) 当該病棟の直近1年間の新規入院患者のうち、65歳以上の患者が8割以上、又は、循環器系、新生物、消化器系、運動器系若しくは呼吸器系の疾患の患者が6割以上であること。
  • (5) アウトカム評価として、以下の基準をすべて満たすこと。
    • ア 直近1年間に、当該病棟を退院又は転棟した患者(死亡退院を除く。)のうち、退院又は転棟時におけるADLが入院時と比較して低下した患者(別紙様式●の合計得点が低下した者をいう。)の割合が3%未満であること。
    • なお、患者のADLは、基本的日常生活活動度(Barthel Index、以下「BI」という。)を用いて評価することとするが、平成27年3月31日までの間に限り、DPCにおける入院時又は退院時のADLスコアを用いた評価であっても差し支えない。
    • イ 当該病棟の入院患者のうち、院内で発生した褥瘡(DESIGN-R分類d2以上とする。以下この項において同じ)を保有している入院患者の割合が1.5%未満であること。なお、その割合は、次の(イ)に掲げる数を(ロ)に掲げる数で除して算出する。
      • (イ) 届出時の直近月の初日(以下この項において、「調査日」という)に褥瘡を保有する患者数のうち、入院時既に褥瘡保有が記録された患者を除いた患者数
      • (ロ) 調査日の入院患者数(調査日の入院又は予定入院患者は含めず、退院又は退院予定患者は含める)
    • なお、届出以降、毎年7月1日に院内で発生した褥瘡を保有している入院患者の割合を調査する。

 ほぼ全員が疾患別リハビリテーション料を算定するような病棟、例えば、脳卒中病棟や整形外科病棟では、ADL維持向上等体制加算を算定するメリットはあまりない。一方、高齢者が多いがほとんどリハビリテーションが行なわれていなかった病棟ではリハビリテーション専門職を配置するインセンティブが働く。廃用症候群算定制限という頭の痛い問題はあるが、リハビリテーション科専門医がおり、専従療法士が多い高度急性期・急性期病院では、必要な病棟に専従療法士を配置するという流れができるのではないかと予想する。

在宅復帰を促進する条件が網の目のようにはりめぐらされた改定

 平成26年度診療報酬改定説明会(平成26年3月5日開催)資料等について |厚生労働省にある平成26年度診療報酬改定説明(医科・本体) をみると、今回の診療報酬改定の最重要課題が、「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等」であることがわかる。このことは、資料の10ページ、11ページに簡潔に図としてまとめられている。


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 医療機関が3群にまとめられ、お互いに重なりあっている。役割はそれぞれ以下のようになる。

  • 高度急性期、急性期
    • 高度な医療の提供
    • 退院支援 等
  • 地域包括ケア病床等 地域に密着した病床
    • 在宅復帰困難な患者の受入
    • 緊急患者の受入
    • 在宅、生活復帰支援 等
  • 長期療養
    • 長期療養が必要な患者の受入

 注意すべきは、高度急性期・急性期は、高度な医療が必要な患者の受入が中心であり、軽症だが緊急性のある患者に関しては、地域包括ケア病床等の地域に密着した病床が対応することになっていることである。このような病床を持っている医療機関は、さらに高度急性期・急性期から在宅復帰な患者を受入し退院調整を行なう役割と、在宅患者への支援を行なうという、複数の役割が期待されている。いわゆる保健・医療・福祉複合体としての機能をもっている、地域の中小病院が想定されている。


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 在宅復帰に関わる要件として、高度急性期・急性期(自宅等退院患者割合)、地域包括ケア病棟(在宅復帰率)、長期療養・病床(在宅復帰率に係る加算)が新たに導入された。回復期リハビリテーション病棟も含め、在宅復帰を促進する条件が網の目のようにはりめぐらされている。


 各種要件をまとめると、次のようになる。

  • 7対1入院基本料: 自宅等に退院した患者の割合 75%以上(30ページ)
    • 分子: 直近6月間に「自宅、回復期リハビリテーション病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)、 療養病棟(在宅復帰機能強化加算(後述)の届出病棟に限る)、居住系介護施設等、 介護老人保健施設(いわゆる在宅強化型老健施設、在宅復帰・在宅療養支援機能加算の届出施設に限る)」 に退院した患者(転棟患者を除く)
    • 分母: 直近6月間に7対1入院基本料を算定する病棟から退院した患者(死亡退院・転棟患者・再入院患者を除く)
  • 地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)1: 在宅復帰率7割以上 (39ページ)
    • 分子: 直近6月間に「自宅、療養病棟(在宅復帰機能強化加算(後述)の届出病棟に限る)、居住系介護施設等、 介護老人保健施設(いわゆる在宅強化型老健施設、在宅復帰・在宅療養支援機能加算の届出施設に限る)」 に退院した患者+療養病棟(在宅復帰機能強化加算の届出病棟に限る)へ転棟した患者
    • 分母: 直近6月間に当該病棟又は病室から退院した患者(死亡退院・再入院患者を除く)+転棟した患者
  • 回復期リハビリテーション病棟1: 在宅復帰率7割以上(2は6割以上) (39ページ)
    • 分子: 直近6月間に「自宅、居住系介護施設等」に退院した患者
    • 分母: 直近6月間に当該病棟又は病室から退院した患者-再入院患者-死亡退院した患者- 病状の急性増悪等により、他の医療機関(当該医療機関と特別の関係にあるものを除く)での 治療が必要になり転院した患者
  • 療養病床 在宅復帰機能強化加算 10点(1日につき)の要件:在宅に退院した患者(1ヶ月以上入院していた患者に限る)が50%以上(37ページ)
    • 分子: 直近6月間に「自宅、居住系介護施設等」に退院した患者 (退院した患者の自宅等での生活が1月以上【医療区分3の患者については14日以上】 継続する見込みであることを確認できた患者に限る)
    • 分母: 直近6月間における退院患者数(当該病棟に入院した期間が1月以上の患者)-再入院患者-死亡退院した 患者-病状の急性増悪等により、他の医療機関(当該医療機関と特別の関係にあるものを除く)での治療が 必要になり転院した患者
  • 老健: 在宅復帰率(介護保険) 在宅復帰支援型の老健>5割 上記以外(在宅復帰・在宅療養支援機能加算を算定する場合 >3割 (資料1−2平成24年度介護報酬改定の概要(PDF:675KB)34〜35ページ)
    • (算定日が属する月の前6月間において)入所者の退所後30日以内(当該入所者が要介護4又は要介護5である場合は14日以内)に、当該施設の従業者が居宅を訪問し、又は居宅介護支援事業者から情報提供を受けることにより、退所者の在宅における生活が1月以上(当該入所者が要介護4又は要介護5である場合は14日以上)、継続する見込みであること。

 7対1入院基本料に関しては、平成26年度診療報酬改定関係資料 III-1 通知 の702/1,573ページに、次のような規定が明記されている。

(1) 7対1入院基本料(一般病棟入院基本料、専門病院入院基本料及び特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。))に係る自宅等に退院するものとは次のア、イいずれにも該当しない患者をいう。

 ア 他の保険医療機関(地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料を含む)、回復期リハビリテーション病棟入院料及び療養病棟入院基本料1(在宅復帰機能強化加算を算定するものに限る)を算定する病棟及び病室を除く)に転院した患者

 イ 介護老人保健施設(介護保険施設サービス費(I)の(ii)若しくは(iv)、ユニット型介護保険施設サービス費(I)の(ii)若しくは(iv)又は在宅復帰・在宅療養支援機能加算の届出を行っているものを除く)に入所した患者


 7対1入院基本料を算定している病院にとっては、自宅等に退院した患者の割合75%以上を確保するためには、単なる転院ではダメであり、地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料を含む)や回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する病棟など以外は忌避される可能性があることである。例えば、転院時に一般病棟に入院させ、その後に地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟に転棟させるというやり方をとっている場合には、問題となる。

 地域の医療機関相互の連携を高めるためには、複雑な診療報酬体系を理解しないといけない。余計な仕事がまた増えたという思いと同時に、少ない準備期間で対応をしなければいけないという焦燥感を感じる。

2014-03-06 平成26年度診療報酬改定に関する通知に関するメモ

平成26年度診療報酬改定に関する通知に関するメモ

 平成26年度診療報酬改定について |厚生労働省の情報が更新され、改定の全容がほぼ明らかになった。平成26年度診療報酬改定説明会(平成26年3月5日開催)資料等について |厚生労働省に文書がまとめられている。なかでも、平成26年度診療報酬改定説明(医科・本体) と、平成26年度診療報酬改定関係資料 III-1 通知 が重要な資料である。前者が174ページ、後者が1,573ページの分量があり、かなり重い。この2つの資料をざっと読んで気づいたことをメモする。なお、かなり正確性には欠けることになるので、後日、ひとつひとつの話題を精査することにする。


# 医療機関の機能分化・強化と連携推進のため、在宅復帰率の網の目が張りめぐらされる

 病床の機能分化促進のため、7対1看護の要件が厳格化された。重症度、医療・看護必要度要件の変更と並んで、自宅等に退院した患者の割合が75%以上という要件が設定された。在宅復帰率要件は、これまで回復期リハビリテーション病棟などで問題となっていたが、急性期病棟や新設された地域包括ケア病棟でも使用されるようになった。今後、急性期医療機関は、在院日数管理(病床回転率)だけでなく、退院先管理を厳密に行なうようになる。各医療機関は、それぞれの在宅復帰率維持を目指し、お互いに牽制しあうことになる。


# 急性期病棟におけるADL 維持向上等体制加算と地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)は、疾患別リハビリテーション料を算定しない患者が一定程度いる条件で成り立つ

 ADL 維持向上等体制加算を算定している急性期病棟でも、疾患別リハビリテーション料等は算定できる。しかし、その場合ADL 維持向上等体制加算は算定できない。すなわち、リハビリテーションを集中的に行なう必要がない患者が一定程度おり、その患者のADL評価や安全管理を専従療法士が行なうことが想定されている。脳卒中病棟や整形外科病棟では、メリットがない。高齢者が多い呼吸器病棟や循環器病棟が主な対象となる。

 一方、地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)では、専従療法士配置が義務づけられ、リハビリテーションを施行する患者には、1日1人平均2単位以上のリハビリテーション施行が必要となる。包括医療であり、積極的なリハビリテーション施行が必要な患者が多ければ、持ち出しが増えることになる。なお、許可病床200床未満の医療機関で算定できる病室単位の地域包括ケア入院医療管理料では、専従療法士はADL 維持向上等体制加算の専従を兼ねることができる。したがって、この専従療法士は疾患別リハビリテーション料を算定できる一般病床患者を優先する傾向が生じかねない。

 これまで、基本的にリハビリテーション料は出来高払いだったが、今回、包括性の考え方が導入された。一歩使い方を誤ると、リハビリテーション医療から遠ざけられる患者が多数生じることになる。諸刃の剣ともいえる改定である。


# 廃用症候群でのリハビリテーション料算定は今後困難となる

 廃用症候群に対するリハビリテーション料は大幅に引き下げられ、かつ、「心大血管疾患リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料、呼吸器リハビリテーション料、障害児(者)リハビリテーション料、 がん患者リハビリテーション料の対象となる患者を除く。」という要件が加えられた。さらに、廃用症候群に係る評価表が、毎月FIMかBIの点数を記載するなどより厳密になった。廃用症候群は現在でも保険者から目の敵にされており、今後請求が激減することが予想される。


# 回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟は大幅に減少?

 回復期リハビリテーション病棟入院料1は、休日加算の包括化、重症度、医療・看護必要度の厳格化に伴い、大幅に減少すると言われている。体制強化加算まで算定できる病棟は限られると想定されている。


# 摂食機能療法の経口摂取回復促進加算要件である専従言語聴覚士は、疾患別リハビリテーション算定も可能

 通知をみると、次のような記載があることを見つけた。「当該保険医療機関において、摂食機能療法に専従の常勤言語聴覚士が1名以上勤務していること。ただし、ADL維持向上等体制加算、回復期リハビリテーション病棟入院料、地域包括ケア病棟入院料及び地域包括ケア入院医療管理料を算定している病棟の配置従事者と兼任はできないが、摂食機能療法を実施しない時間帯において、脳血管疾患等リハビリテーション、集団コミュニケーション療法、がん患者リハビリテーション及び認知症患者リハビリテーションに従事することは差し支えない。また、摂食機能療法とその他のリハビリテーションの実施日・時間が異なっている場合であっても、別のリハビリテーションの専従者として届け出ることはできない。」言語療法士にとっては朗報である。


 その他、維持的リハビリテーション料の評価など気になる改定はいくつかあるが、とりあえず、今日はここまでとする。