【iPhone/iPod touch Game Dev シリーズセミナー 1/4】Sea Change
※写真とこの記事の内容はさっぱり関係ございません。本イベントの日に、沢尻エリカさんの壁面ポスターに感動した! というだけのことでございます。失礼いたしました。
IDGA Japanの新さんが中心となって進めていたシリーズセミナーも、いよいよ第8回、いったん最終回となったようです。まずは、おつかれさまでした! そして、ありがとうございます。電撃ゲームスが今月発売号でVol.7です。つまり、その準備期間から考えれば、僕がiPhoneアプリを本格的に触りはじめた時期と、このシリーズセミナーの開催されていた時期って、ばっちりかぶってるんですよね。毎日、AppBankさんをはじめとするブログ等の記事をチェックして最新情報を仕入れ、毎月、このセミナーを聞かせていただいていろいろ考える(鎌倉のスティーブ・ジョブスが登壇した回もありました!)という流れができてました。
本当にありがとうございました。ぜひ、来期も続きますように。お手伝いできることがあったら、お手伝いしますから、ぜひ、おっしゃってください。
さて、第8回ですが、非常におもしろかったです。考えさせられることしきりでした。テーマは、GDC2010の帰朝講演という感じだったのですが、登壇された新さん、幅さん、大前さん、三人共通の強い問題意識があり、それに対する視点が三者三様の部分もありという感じで、なかなか勉強になりました。
最初に登壇された新さんのお話は、GDC2010についての概論という内容だったのですが、このあとのお二人とも同じ、ポイントは明確でした。「今年はソーシャル系の台頭が目立った」ということです。
●新「コンシューマより俺たちの方が上だと、Facebookの基調講演は言いたそうだった。コンシューマと比較すると、俺たちは客のデータもとっているし、よほど研究している、と」
という御発言がありましたが、これが最も強くそれを反映しています。実際に現場で聞かれた新さんが受けられた強い印象というものが、容易に想像できます。すでに世界は、そっちに向かってるんですね。日本のゲーム業界は、ケータイと同じことをくり返すんでしょうか……。
■以下、倉西のつぶやき/新さん御登壇部分
●iPhone/iPod Touch Game Devシリーズセミナー(8) Game Developers Conference レポート for iPhone Gamesのメモから
●イベントスタート。新さん、御挨拶。「このシリーズは、今回、とりあえずの最終回となりますが、たぶん来期も続くのではないかと思います。今日の講演は、CRIの幅さんと、iPhoneアプリを作るベンチャーを立ち上げた大前さんにお願いします」
●新「今年のGDCはたまげた。iPhoneとソーシャルゲームのサミットは異様にもりあがっていた。セッションを回るのが大変だった。セッションは450くらいありました(5日間で)」
●新「3日目の晩にパスタを食べにいったら、PopCapの偉い人がいたりして、そういうインパクトもあって、まだ頭の中がサンフランシスコ」
●新「E3が縮小した関係で、最近は、いわゆるショーのような展示も増えてきている」
●新「日本ではCEDECというイベントがあり、セッションは100程度、参加者は2000〜3000。比較するといかにGDCが大きいかがわかる」
●新「とにかく今年はソーシャルゲームばかりだった。なんじゃこりゃ! というくらい。Facebookを旗頭に新しいプラットフォームが出てきて、非常に充実していた」
●新「コンシューマより俺たちの方が上だと、Facebookの基調講演は言いたそうだった。コンシューマと比較すると、俺たちは客のデータもとっているし、よほど研究している、と」
●新「コンシューマ側からも反論はあり、こんなゲームは作りたくないというクリエイターや、あいつらは詐欺師だというような冗談めいた発言、応酬もあった」
●新「コンシューマタイトルでは、アンチャーテッド2の話がもりあがっていたが、ユーザーのプレイテストを150回やった等、(規模や作り方として)信じられない、ついていけないレベルだと感じた」
●新「IDGAJは昨年、42ものイベントに関係し、IDGAとしては世界最大規模の活動だった。アップルストアでのこのイベントについては海外にも広がっていくかも」
●新「GDCで毎年開いている日本人飲み会は、2002年に3人ではじまったのだが、今年は150人で申し込み打ち切りとしたくらいだった。GDCにも日本人が多く参加するようになった」
●新「ソーシャルゲーム関連のセッションには女性が多く参加していた。やはりWeb業界の傾向を反映しているのか、これまでのゲーム関連のセッションにはなかった」
●新「ngmocoのセッションもあった。去年は鼻息も荒かったが、今年はそれほどでもなかった。iPhoneのマーケットが、思ったよりも厳しかったのでは? という印象を受けた」
●新「iPhoneアプリも、ソーシャルゲームとして提供しないと収益が上がらないのでは? という話になっていた。まず、ゲーム内アイテムの販売が、非常にのびている」
●新「収益を上げるためにはアプリを売るだけでなく、アプリ内課金を使ったり広告をやったりと、いろいろな方法を組み合わせなければならないという話だった」
●新「Facebookはユーザー数を2億7000万人とアナウンスしているが、アプリが実際にどれくらい遊ばれているかはわからない。サービスを提供している企業が上場していないと、情報公開もされない」
●新「どこに行ってもフリーとイノベーションの話ばかりを聞いた。アメリカのゲーム業界も、収益を上げるための大きな変革期に入っているようだ」
●新「なぜ今日、幅さんをお呼びしたかというと、ものすごくつぶやかれていたから。GDC関連のつぶやきをタグクラウドふうにまとめてみると、幅さんのアカウント名が非常に大きいw」
●新「モバイルゲームで表彰されたのは、iPhoneアプリの「スパイダー」。iPhoneアプリを売るということの収益構造は厳しいのかもしれないが、こういういいゲームが何本も出てきている。今、アメリカのインディーシーンは、非常に力を持っている」
●新「これが次のアメリカのパワーになるのだとしたら、驚異すら感じる。そんなに難しい技術は使っていないのに、新しいものを生み出そうという力が感じられる」
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