「あのさ、みさ、オーディションに受かるのをダラダラ待てるほど余裕ないんだよ。まだバイトできないから、今のうちに制服シスターズとか撮影会とか出て仕事しないと、やばいんだよ、みさ勉強とかしてる場合じゃないの。この仕事していれば水着の仕事ぐらい普通だって、みんなやるって、狭山さん言ってたじゃん。それも嫌がって、いじめなんか気にするってことはゆき、本気じゃないんでしょ。本気じゃないなら話合わないからもう帰って。てかもう、辞めて、全部。むかつくんだよそんなぬるい気持ちでいられると。子供じゃないんだからさ」 第169回芥川龍之介賞候補作品、児玉雨子『##NAME##』を読む。 候補になった頃からずっと読み…