人知れず 神の許しを 待ちしまに ここらつれなき 世を過ぐすかな 朝顔の姫君に by 源氏の君🌺 〜誰にも知られず 神の許しを待っていた間に、 長年つらい世を過ごしてきたことです。 【源氏物語625 第20帖 朝顔7】 「今になりまして、 お居間の御簾の前などにお席をいただくことかと 私はちょっと戸惑いがされます。 どんなに長い年月にわたって 私は志を申し続けてきたことでしょう。 その労に酬《むく》いられて、 お居間へ伺うくらいのことは 許されていいかと信じてきましたが」 と言って、源氏は不満足な顔をしていた。 「昔というものは皆夢でございまして、 それがさめたのちのはかない世かと、 それもま…