野球部のピッチャーで勉強も完璧な湯神くんは、ほとんどのことをひとりで完結させることができる。基本的にイヤフォンをして大好きな落語を聴いているために他人と話そうとしないし、野球にしてもチームとして勝つというよりは自分の目標をいかに達成するかということにフォーカスされている。余計なことをしている暇がないので、自分の世界に没頭することが何よりも優先されるのだ。なので、湯神くんには友達がいない。というか、友達は必要ない。時間の無駄なのだ。そんな考えであるためにクラスメイトと関わろうとしないし、クラスメイトも湯神を変なやつ認定して近づこうとしない。湯神はクラスから、あまつさえ学校からも浮いているのである…