前回、薬草喩品第五では「三草二木の譬え」によって、人間は形の上に現れた差別相と本質における平等相をこの譬えによって悟らなければならないというでした。 今回は四大菩薩の内の一人である魔か迦葉(まかかしょう)が授記されます。それを見ていた他の3人である目けん連(もっけんれん)・須菩提(しゅぼだい)・迦旋延(かせんねん)も授記をお願いします。それを譬え話にしたものを紹介します。 「大王の膳の譬え」 今の3人の心境をたとえて申しあげます。飢えで苦しむ国から逃れて来て、いきなり大王のもとで見たこともないご馳走の前にいるようなものです。大王が食事をしなさいとおっしゃらないと食べてよいのかわからず、食べるこ…