1920年代、ウィーン大学の哲学教授シュリックを中心に形成された自然科学者や哲学者の研究グループ。ウィーン学団は、実証主義と経験主義に革新をもたらした科学的世界把握を提唱する「論理実証主義」の国際的哲学運動の出発点であった。だがウィーン学団は、もはやウィーンには存在しない。1938年、ウィーン学団は、ナチス・ドイツによるオーストリア併合によって、ウィーンからイギリスやアメリカへ亡命を余儀なくされた。いいかえれば、ウィーン学団の活動は終わらせられたのではなく、中断させられたのである。とはいえ、その見知は外国で支持され普及していった。とりわけ、アメリカがそうである。彼らが更に活動を続けることができたならば、ウィーン学団も十分な問題解決に到達したであろう。