原 雅明 アヴィシャイ・コーエンはイスラエルのジャズをけん引してきた存在であり、現代ジャズを代表するベーシストの一人だ。ジャズを離れてルーツに根ざした音楽や歌にも取り組んできたが、新たにIrokoというアフロ・カリビアンのプロジェクトをスタートさせた。なぜアフロ・カリビアンなのかと当初は思ったが、音と詳しい情報が届いて興味深い背景が見えてきた。Irokoは、プエルトリコをルーツに持ち、NYのラテン・シーンで活動を続けてきたシンガー/コンガ奏者のアブラハム・ロドリゲスJrと立ち上げたものだった。Irokoのライブ・バンドには、キューバ出身のドラマー/パーカッション奏者のオラシオ・“エル・ネグロ”…