半乾燥気候下の樹木のない草原地帯。カスピ海,アラル海の北に広がるカザフステップ(旧名キルギスステップ)を中心に,西はハンガリーのプスタ,東は天山山脈の山麓を経てモンゴル高原の草地に至る一帯が代表的で,放牧または遊牧が行われているが,黒海北岸の黒土地帯をはじめ,すでに耕地化された地域も広く,古来,文化の伝播路の一つでもあった。
War and Peace and War: The Rise and Fall of Empires (English Edition)作者:Turchin, PeterPlumeAmazon 第7章 中世のブラックホール:カロリング辺境におけるヨーロッパ強国の勃興 その16 ターチンは本章でここまでフランク帝国のカロリング朝時代の4つの辺境に後のヨーロッパ列強につながる強国興ってきたことを説明してきた.最後に冒頭の疑問に戻り,なぜ中国では統一状態が継続したのに,ヨーロッパは再統一されなかったのかを議論する.そしてまずダイアモンドによる地理的説明を否定した. なぜヨーロッパは再統一されなかっ…
第1問(20点) 乾隆帝の70歳の誕生日を祝賀する行事に参加する朝鮮の使節に随行して熱河の離宮に赴いた朴趾源(ぼくしげん)の『熱河日記』は、その冒頭で年次を記すのに「後三庚(こう)子」(明の崇禎(すうてい)年間より後の三回目の庚子の年)という表記を用いている。ここには、当時の朝鮮と中国の関係の一面が表れている。16世紀末から19世紀末にいたる朝鮮と中国の関係の変化について、300字以内で説明せよ。解答は所定の解答欄に記入せよ。句読点も字数に含めよ。 第2問 次の文章(A、B)を読み[ ]の中に最も適切な語句を入れ、下線部(1)〜(20)について後の問に答えよ。解答はすべて所定の解答欄に記入せよ…
日本はアジアの東端にあたる。ゲルマン民族大移動、中国の五胡十六国を理解すれば、当時何が起きていたかがよりわかるようになると考えられる。西洋と東洋の間の国々で何が起きていたか。次の流れで紹介していく。 ・西洋の民族大移動・ゲルマン人とは・フン族の西進とローマ帝国への影響・フン族とは・匈奴とは・月氏について・クシャーナ朝・中国の五胡十六国・地球の気候変動と小氷河期 ■西洋の民族大移動西洋・ヨーロッパにおいて、西暦300年~700年代にかけて民族の大移動が起こった。※小移動は以前より起こっていたとされる。気候変動によって大きな変化が起きた時期である。 特に4世紀末から6世紀中ごろゲルマン人の大移動が…
まえがき2 ●かけがえのない国・日本、かけがえのない日本文明 その一方、幕末から明治初期に日本を訪れた西洋人の中には、「日本に西洋文明を持ち込んでも幸せになるとは思えない。すでに日本人は幸福である」と伝えた人も多くいました。 たとえば、「日米修好通商条約」(1858年)の締結で知られる初代駐日公使のタウンゼント・ハリスはその著書『日本滞在記』で、「人々は楽しく暮らしている。食べたいだけ食べ、着物にも困ってはいない。住まいは清潔で日当たりも良く、気持ちが良い」としています。 1873年から38年間日本に滞在したイギリスの日本学者バジル・ホール・チェバレンは『日本事物誌』など一連の日本研究書の中で…
フン族=匈奴なのか?同族説の実際のところ 動画 YouTube https://www.youtube.com/watch?v=F80SKf5Fu38 馬に乗り戦うフン族の王アッティラ アッティラ王が率いたフン族 残忍ではなかった? 2019.09.24 ナショナル ジオグラフィック日本版サイト 西暦370年頃、フン族の大軍はヨーロッパへと進んだ。 その過程で、ゲルマン諸族は支配下に置かれ、拡大するフン族の領土から逃げるように他の土地へと移っていった。ところで、フン族は一般に残忍とされているが、本当にそうだったのだろうか? ただ、この問いに答えるのは難しい。歴史家のピーター・ヘザー氏は「フン族…
東京ジャーミイの礼拝堂(東京都渋谷区大山町) 長生きする者は多くを知る。しかし旅する者はそれ以上を知る。 من يعيش يرى ,لكن من يسافر يرى أكثر (アラブの諺) 日本国内でもイスラム世界に触れられる、貴重な信仰の場 異郷を旅することは、ほぼ息をすることに等しい――それほど旅好きの人間とっては、コロナ禍で生きることは大変厳しいものです。新型コロナウイルスのパンデミックにより、2020年初頭から3年連続で海外旅行に出掛けることが困難になっている中、考えることはただ一つ。「日本国内でも異文化体験をしたい!」ということに尽きます。 2021年2月に、俳優・タレントのサヘル…
ローマ帝国の万民法(ばんみんほう)とは? ローマ帝国の万民法(Lex Mancipii)は、奴隷制度における奴隷の取引や所有に関する法律です。 背景 ローマ帝国では奴隷が重要な労働力として使用されており、彼らは所有者によって売買されることが一般的でした。万民法は、奴隷の取引と所有権の移転に関する明確な法的枠組みを提供することを目的として制定されました。 奴隷の売買と取引 万民法は奴隷の売買や取引に関する規定を含んでいます。奴隷は市場や奴隷商人を通じて販売され、奴隷主との間で取引が行われました。万民法では、奴隷の取引において正当な契約と財産権の譲渡が確立されるよう定められています。 奴隷の所有権…
大分県のお土産といえば、『南蛮菓ザビエル』が定番です。しかし、このザビエルには金と銀、2つのバージョンがあることをご存じでしょうか? 大分名物には"南蛮"とついたものが多いのをご覧になったことはありますか? - 南蛮料理- 南蛮菓子- 南蛮漬 "南蛮"という言葉には、長くて複雑な歴史が深く刻まれています。 古代中国の視点から見ると、これは中華思想に基づいた視点でした。中国自体を中心と捉え、周囲を囲む他国を北狄、東夷、南蛮、西戎と四方向から呼び分けました。 1. 北狄:「狄」は古代中国で「未開の民族」を意味する言葉で、これが北方に住む異民族を指して「北狄」と呼びました。一般的には、北方のステップ…
War and Peace and War: The Rise and Fall of Empires (English Edition)作者:Turchin, PeterPlumeAmazon 「帝国の基礎は辺境に始まる」則がローマ帝国滅亡後の様々な国家の興隆に当てはまるかを扱う第3章.ターチンはライン川の国境沿いの辺境で,メタエスニック断層線が形成され,そこではゲルマン側に「オーディン信仰ゲルマンvsキリスト教ローマ」の「我々対あいつら」アイデンティティが作られ,侵入略奪(奢侈材の入手)のための軍事的に強大になる動機が形成され,規律や効果的組織作りの文化が流れ込み,強国が作られる基礎が生ま…
War and Peace and War: The Rise and Fall of Empires (English Edition)作者:Turchin, PeterPlumeAmazon 第1章と第2章でターチンはロシアの東方拡大を取り上げ,2世紀前に完敗していたモンゴル(タタール)に逆襲できたのは,キエフからカザンに至る地域が度重なる侵略収奪を受ける辺境となり,そこで防衛のための団結心が育まれたからだと主張した. 第3章では第1章,第2章で語られた「帝国の基礎は辺境に始まる」則がローマ帝国滅亡後の様々な国家の興隆に当てはまるかを調べていくことになる.章題の虐殺とは(その大敗をきっかけ…