ここ数年でコロナが緩和して数々のクラシックのコンクールが息を吹き返してきたが、自分の中では2021年のショパンコンクールを超えるアツい闘いは未だない。それは自分がショパンが好きという理由のみならず、やはり当時スター性を有するコンテスタント達が揃っていたことが大きいのだろう。ショパンコンクールのあの舞台に立つ猛者達はみな心なしか後光が差していると錯覚するくらい、オーラを身に纏った雲の上の存在である。しかし映像だけ見て完結してしまうのは少々勿体無い気がして、応援も兼ねてコンテスタントの演奏を生で聞こうと決意したのは昨年のことだ。昨年一発目は反田恭平氏と同率2位に並んだアレクサンダー・ガジェヴ氏、そ…