角川文庫 【あらすじ】 エレクトロニクスのパーツメーカーで業界No.1を位置する東京電子工業のワンマン社長石原修が急死した。社内外からは、長年に渡り石原を支えてきた、唯一の代表権を持つ宮本正男が後継と目されていた。 だが筆頭株主の東亜電産社社長の佐竹は、専務として送り込んだ野村を社長に就任させ、東京電子工業の系列化を図るべく、強引な根回し工作を仕掛ける。そして新役員人事を決定する役員会が迫るなか、宮本は自社の独立を確保すべく、思い切った決断をする。 【感想】 日本触媒化学工業社長の八谷泰造は、徒手空拳から石油化学の対規模なコンビナートを設立するなど、戦後の経済界を代表する経営者。当時日本有数の…