作家。1935年(昭10)、高知市生まれ。ハードボイルド小説、SF、幻想小説、ジャズ小説などを執筆。 明治大学仏文科中退。 1963年(昭38)、「宝石」に掲載されたハードボイルド「殺意という名の家畜」が、1964年(昭39)の第17回日本推理作家協会賞を受賞。 その後は幻想小説に転じ、代表作に「街の博物誌」がある。
◆赤旗21日記事 【9面】 ◆岡本好貴『帆船軍艦の殺人』(2023年、東京創元社) 2023年度・鮎川哲也賞(1990年に創設された東京創元社が主催する公募の新人文学賞、第12回(2002年度)までは鮎川*1も選考委員の一人)受賞作の紹介(但し、受賞時の題名は『北海は死に満ちて』で単行本化にあたり改題)。 ということで「赤旗読書欄」のメインは「勿論、政治、社会問題」ですが、ミステリなど娯楽小説の紹介も掲載されます。 俺の記憶が間違ってなければ、大阪圭吉『とむらい機関車』(2001年、創元推理文庫)、高城高『高城高全集〈1〉:墓標なき墓場』(2008年、創元推理文庫)を俺が知ったのも「赤旗読書欄…
狂熱の季節 川地民夫 Amazon ★★★★★ 夏。明(川地民夫)と勝(郷鍈治)が東京少年鑑別所から出所する。2人は車を盗んで走り出し、ユキ(千代侑子)と合流する。ユキは外国人相手のパンパンをしており、明の恋人のような存在だった。車で海辺に行くと、新聞記者の柏木(長門裕之)と恋人の文子(松本典子)を発見。そのまま柏木を跳ね飛ばし、3人は文子を誘拐する。明は草むらで文子を強姦するのだった。 原作は河野典生「狂熱のデュエット」【Amazon】。 日本のヌーヴェルヴァーグの最高傑作ではなかろうか。アップテンポのジャズに合わせて無軌道な若者の自由な振る舞いを映していく。とにかく主演の川地民夫がすごい。…
面白かった。アンソロジーっていいな、やっぱり。 最近はベストセラー情報を見たり、文学賞受賞作品を調べたりして、読む小説の幅は昔より広がってるけど、それでも全く知らない作家の作品を読んでみたくなることもあります。 高校までは地元の大きな書店のミステリーとSFの文庫本棚(ほぼハヤカワと創元)の前で座り込んで、今月のお小遣いであとどれとどれが買えるか、何十分も迷ったりしたものでした。小松左京、田中光二、眉村卓、半村良、豊田有恒、かんべむさし・・・たった1冊のアンソロジーの収録作家を覚えてるくらい、子どもの頃に出会ったものって刷り込みが深い。幼いので、エログロ系のものにはドン引きしたけど、忘れることは…
去年の四月下旬に毎週読書会をやろうといって、一年とちょっとが経った*1。読み逃していた(あるいはもう覚えていない)古典ミステリ*2を網羅的に読むのが主目的で、ほかにはいかにしてミステリができてきたのかという文脈を追おうとしたのがこの読書会だ。レジュメとかはなく、読み、集まり、語る。シンプルにすることで継続性を高め、時折休みを取りながらも(大体は自分のキャパオーバーが原因だが)なんとか五十冊という節目を迎えた。せっかくなので五十冊のリストを備忘録的に残しておく。 ブックリスト ジョン・ディクスン・カー『ビロードの悪魔』 ヒラリー・ウォー『生まれながらの犠牲者』 E・S・ガードナー『嘲笑うゴリラ』…