(→「西山事件」「西山記者事件」とも) Wikipedia掲載の解説
西山事件(にしやまじけん、外務省機密漏洩事件とも)とは、沖縄返還協定を巡って1972年に外務省の機密文書漏洩の疑いで毎日新聞社政治部の西山太吉記者と外務省の女性事務官が逮捕された事件。報道の自由について、いかなる取材方法であっても無制限に認められるかが裁判上の争点となったが、西山記者に懲役4月執行猶予1年、女性事務官に懲役6月執行猶予1年の有罪が確定した。
報道の自由 1.報道は、事実を知らせるもので、特定の思想を表明するものでないが、表現の自由(憲法21条1項)に含まれる。報道内容の編集という知的作業が行われ送り手の意見が表明され得るし、国民の知る権利に奉仕する重要性から考え、異論はない。博多駅テレビフィルム提出命令事件で最高裁も、民主主義社会おける報道は国民が国政に関与するための重要な判断資料を提供し、国民の知る権利に奉仕するとする。 2.(1) 取材の自由・取材源秘匿の自由が含まれるかにつき、判例の立場は明確でない。博多駅事件で最高裁は、「報道のための取材の自由も、憲法21条の精神に照らし、十分尊重に値いする」とする。この論理は、法廷傍聴人…