前回、吉田絃二郎『わが旅の記』(第一書房、1938)という古本を買ったらおもしろい書き込みがあった、という話をした。 書き込みは本来なら歓迎すべきものではないが、内容によってはちょっと得をした気分になる。本に「おまけ」がついてきたような感じだ。 ところがこの本にはもうひとつ「おまけ」がついていたのだ。それがこちら。 古い新聞記事の切り抜きが挟んであったのだ。 古本に何かが挟まれていることはよくある。栞がわりにしたレシートや映画の半券、古い葉書や写真、ときには紙幣が挟まれていた(へそくり?)なんて話も聞く。 書き込みと違ってこうした挟み込みは本を傷つけることはない、とは言い切れない。 挟まれてい…