近代の日本経済を支えていたのは、お米と日本酒です。諸外国の軍事的圧力をはねのけ、日本が独立を保つのには、このお米とお酒を中心に経済を考えることは自然な流れでした。 もともとお酒は江戸幕府が運上金として50パーセントもの税金をかけて、酒造免許を与えていました。明治政府は、冥加金と称してお酒から税金を徴収し、富国強兵、殖産興業政策に費やしていきます。 酒税は明治の終わりころ、国税収入の35パーセントを占め、地租を抜きトップとなりました。日露戦争では、途中戦費が足りなくなり、酒税を急遽追加徴収し戦争を乗り切りました。(久保順平『世界の富裕層を魅了する「日本酒」の常識』日本経済新聞出版、2022) こ…