翻訳家(スペイン文学;ラテンアメリカ文学) 琉球大学教授;東京外国語大学名誉教授 昭和15年8月14日生 出生地:大阪府大阪市 血液型:A 平成14年12月13日没(62歳 横行結腸がん) 没地:文京区の病院 東京外国語大学スペイン語学科卒;マドリード大学大学院修了 在学中、会田由の講義でケベードを読んだことからスペイン文学の道へ。昭和58年3月より1年間ペルーカトリック大学客員教授。
大航海時代においてスペインはかなりの強国であった。スペイン人は多くの船で世界中に繰り出し、16世紀半ばには日本ともすでに接触があった。例えばイエズス会の宣教師としてキリスト教を広めようと日本にやってきたフランシスコ・ザビエルはスペイン人だ。 アメリカ大陸の地理上の発見者クリストファー・コロンブスはジェノバ出身ではあるが、スペインの支援を受け、インドに到達するルートを探すための航海に出た。歴史にもう少し詳しい方なら、アルマダについてもご存知だろう。それはスペインが持つ強力な艦隊。世界を震え上がらせ、無敵艦隊と呼ばれた。スペインは強力な艦隊と旺盛な領土拡張欲も相まって、世界中に多くの植民地を持ち、…
最近『負けヒロインが多すぎる!』なるアニメに注目している。いま第4話まで放送されたところ。 私は、最近のアニメは「絵の手の混み具合」と「話のくだらなさ」が釣り合っていないものが多いと感じている。ビジュアル面で力の入った作品は多い(それが必ずしも質の高さを意味しないが)のに対し、それによって描く話がしょうもないのである。『ルックバック』への感想もこれに近い。 cut-elimination.hatenablog.com 本作『負けヒロイン』も、第一印象ではそんな感じに思われた。画面構成や作画・美術はものすごく凝っているが、「負けヒロイン」なるモチーフはくだらないと感じる。 原作はラノベ↓。 負け…
最近は役に立つことや効率が良いことなどがとても重要視されている世界に思います。何か勉強したりすると、それが昇進や進学のためと結び付けられ目的もなく勉強すると何かおかしな雰囲気に思われます。 本書では、これらの社会に対して昔の偉人などの言葉やその背景を踏まえて無用ということの素晴らしさを様々な角度で見ていく内容になっています。 文学、大学、所有することに対して無用であることがいかに重要であるか、とても面白い本でした。 この本では「役に立つ」という言葉の意味を、まったく別の観点から考えてみたい。この世には、実用的な目的にとらわれない、「知ること」そのものが目的であるような知識がある。そうした知識が…
展覧会『土井沙織個展「イコール」』を鑑賞しての備忘録MEDEL GALLERY SHUにて、2024年5月10日~22日。 パネルに寒冷紗を貼り石膏で固めた支持体に、人や動物らしき存在、あるいは人や動物の混淆したような存在を描き出す、土井沙織の個展。 《旅人》(250mm×200mm)はごるごつとした山吹色の画面に獣の姿を黒いシルエットで表した作品。山吹色は荒涼とした沙漠のようであり、漆黒の獣との対象で光のようでもある。獣は2本の耳をピンと立て、黄色い砂ないし光で覆われた無辺の世界で何かを捉えようとしている。「四つ足(=獣)」であるが、シルエットは前肢と後肢とがそれぞれ揃えられているのか、2本…
shaitan.hatenablog.com事程左様に、本を読むことの価値というものは下がってしまった。仮に無益であっても無害であればよいが、有害であるとする向きも多い。 ほとんどまる一日を多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失って行く。[…]暇さえあれば、いつでもただちに本に向かうという生活を続けて行けば、精神は不具廃疾となるからである。ショウペンハウエル『読書について』*1 読書で生涯をすごし、さまざまな本から知恵をくみとった人は、旅行案内書をいく冊も読んで、ある土地に精通した人のようなものである。こういう人は報告すべき材料をいろいろ持ち合わせているが、その土地の様子に…
展覧会『西川由里子個展「視界は反復横跳び」』を鑑賞しての備忘録GALLERY KTO 新宿にて、2024年4月2日~27日。 瓶をモティーフとした絵画で構成される、西川由里子の個展。 「目路も遙かな景」シリーズ3点(各1620mm×970mm)は、染色した画布を縫い合わせ、なおかつ描画だけでなく写真の転写も行った画面に、光の反射や周囲の映り込みを色取り取りの縦の描線により表現した瓶1本を中央に表わした絵画である。《目路も遙かな景 Ⅱ》では、染色の際にできた皺が表情を作る緑や藍の布が画面を切り刻むように組み合わされ、木の梢、街角、港などの写真が転写されている。他の2点に比べ太めの瓶は、橙や黄など…
・ ローマ諷刺詩集 <岩波文庫 32-125-1> ペルシウス, ユウェナーリス 作 ; 国原吉之助 訳 2012 ¥1,000 ・ スケッチ・ブック 上下 <岩波文庫 32-302-1> アーヴィング 作 ; 齊藤昇 訳 2014 ¥1,500 ・ 水車小屋攻撃 <岩波文庫 32-545-7> エミール・ゾラ 作 ; 朝比奈弘治 訳 2015 ¥1,500 ・ 水車小屋攻撃 <岩波文庫 32-545-7> エミール・ゾラ 作 ; 朝比奈弘治 訳 2015 ¥1,500 ・ 精神の危機 : 他十五篇 <岩波文庫 32-560-5> ポール・ヴァレリー 著 ; 恒川邦夫 訳 2012 ¥1,30…