出版社。 1957年に石井恭二により創業され、60年代に渋沢龍彦と共に「サド裁判」を闘う。 サド、フーリエ、ロートレアモン、ブルトン、トロツキー、バタイユ、ブランショ、デリダなど多数の西欧近現代思想・哲学を時代に先駆けて紹介し、さらに埴谷雄高、渋沢龍彦などの著作や日本古典群の刊行によって一時代を画した。
・ エックハルト : 異端と正統の間で 講談社学術文庫 上田閑照 著 講談社 1998年 ¥1,300 ・ 人生の道 上下 トルストイ 原久一郎訳 岩波書店 1995年 ¥1,200 ・ 鳴るは風鈴 : 木山捷平ユーモア小説選 講談社文芸文庫 木山捷平 著 講談社 2001年 ¥1,000 ・ コスモス 東欧の文学 ゴンブロヴィッチ 著 ; 工藤幸雄 訳 恒文社 1992年 ¥2,000 ・ 大野一雄稽古の言葉 大野一雄 著 ; 大野一雄舞踏研究所 編 フィルムアート社 1997年 ¥1,800 ・ 大野一雄百年の舞踏 大野一雄舞踏研究所 編 フィルムアート社 2007年 ¥1,000 ・ G…
市川力・井庭数崇『ジェネレーター 学びと活動の生成』(学事出版)を読了。 ジェネレーター 学びと活動の生成 作者:市川 力,井庭 崇 学事出版 Amazon 二人の著書は自分たち教師の役割を、ティーチャー、インストラクター、ファシリテーターから、創造型社会の要請に応じてジェネレーターへと進化させようとする提言の書である。 ジェネレイトとは「生成する」という意味だ。新しいものごとが生成する場に参加し、役割を自ら担う。それをこの本ではジェネレーターシップと呼んでいる。 ものごとの生成の場では、「参加」という言葉を無自覚に使うことが多いが、「参加」という概念は幅広く、ただ集まるだけの参集、観察主体に…
シャルル・フーリエ(Fourier, Charles) シャルル・フーリエ(Fourier, Charles) フーリエ著作リンク一覧 フーリエ著作一覧 Wikipedia フーリエ著作リンク一覧 社団的社会主義要綱(世界大思想全集 安谷寛一 訳 春秋社, 昭和5) 四運動の理論 (世界古典文庫 副田満輝 訳. 日本評論社, 1949 上 / 巌谷国士 訳. 現代思潮社, 1970 上① ② 下① ② → 新装版 古典文庫 2002 上 下) 調和社会の教育(『空想的社会主義教育論』 世界教育学選集 西出不二雄 訳. 明治図書出版, 1970) 愛の新世界(福島知己 訳. 作品社, 2006 …
このエントリーでは、ジョルダーノ・ブルーノ(Giordano Bruno, 1548-1600)関連の書誌をまとめます。随時追記する予定です。 ■A. 著作 ★Adelphi Opere (Classici) [版元] イタリアのアデルフィ社(Adelphi)の叢書「Classici」にブルーノ著作集が4巻と図像集が1巻収録されている。 ・Opere magiche (Classici 67, 2000) [版元]* ・Opere mnemotecniche I (Classici 71, 2004) [版元]* ・Opere mnemotecniche II (Classici 73, 20…
吉本隆明『擬制の終焉』(現代思潮社、1962)と『自立の思想的拠点』(徳間書店、1966)とが、私がずっと注目してきた吉本隆明の政治的著作だ。『擬制の終焉』には、「擬制の終焉」、「前衛的コミュニケーションについて」、「葬儀屋との訣別」など、『自立の思想的拠点』には、「自立の思想的拠点」、「思想的弁護論—六・一五事件公判について」、「情況とは何かI〜Ⅵ」、「日本のナショナリズム」などが収められている。あまりに情況に根差しすぎているし、個に押し寄せてくる情況にしか関心のなかった吉本は政治運動の波があらかた去ったらそれらはほっぽり出すので、その後の運動論は何もないが、これらの時期の著作で政治運動の未…
・ 美学事典 増補版 竹内敏雄 編 昭52 弘文堂 ¥3,000 ・ 発達障害の内側から見た世界 : 名指すことと分かること <講談社選書メチエ> 兼本浩祐著 2020 講談社 ¥1,000 ・ 古代エジプト人の24時間 : よみがえる3500年前の暮らし ドナルド・P・ライアン著 ; 市川恵里訳 2020 河出書房新社 ¥1,500 ・ 十返舎一九 : 笑いの戯作者 <日本の作家 35> 棚橋正博 著 1999 新典社 ¥3,000 ・ 元禄の奇才宝井其角 <日本の作家 52> 田中善信 著 2000 新典社 ¥1,200 ・ 新井白石 <日本漢詩人選集 / 富士川英郎 ほか編 5> 一海知…
クロポトキンは『ある革命家の思い出』において、もう一度反復すれば、十九世紀後半の政治状況を次のように分析している。国際労働者協会(第一インターナショナル)は万国の労働者の連帯と団結に基づき、資本と戦うという思想によってヨーロッパで隆盛を迎えていた。だが普仏戦争はその成長をはばみ、文明と人間の進歩をとどめさせ、パリ・コミューンの敗北とドイツの圧倒的勝利は異常な状況を生み出し、軍国主義の時代へと追いやったと。その上で、「パリ・コミューンは、理想をまだ十分に明らかにしないうちに勃発してしまった恐ろしい例である」と述べている。 そのような十九世紀フランスの歴史、すなわち第二帝政時代を描いたのがゾラの「…
『ある革命家の思い出』に述べられているように、クロポトキンは前回ふれた一八七二年のスイスにおける国際労働者協会(第一インターナショナル)の歴史と活動への注視、及びジュネーブ統一支部での国際労働者運動の実態を知ったことで、ロシアに帰ると、チャイコーフスキー団に参加することになった。 当時のロシアは「ヴ・ナロード!」(人民のなかへ!)を合言葉とする青年たちの多くの小さなグループが形成され、医者、教師、看護婦としてばかりか、労働者としても農村に向/かい、民衆の生活のために役立とうとする運動が最高潮に達していた。チャイコーフスキー団もそのひとつで、中心メンバーはチャイコーフスキーを始めとして、ステプニ…
前回の石垣綾子『回想のスメドレー』ではないけれど、石垣の「回想」によって、記憶に残された人たちがいる。彼らはジャック・白井と青柳優で、前者は『日本アナキズム運動人名事典』、後者は『日本近代文学大事典』に立項されているので、まったく無名の人物ではないのだが、私にとっても石垣の「回想」の印象が強い。 ジャック・白井のことを知ったのは石垣の『オリーブの墓標』(立風書房、昭和四十五年)によってだった。その「プロローグ」には次のような一節が見出された。「ジャック・白井という男は全く無名で、片隅に忘れ去られた存在に過ぎない。しかしその彼は苦難にみちた反ファシズムのスペイン戦場にとびこんで、そこで死んだただ…
語り継がれねばならぬことというものは、やはりあるのだろう。 リテラシーなんぞという言葉を、学生時代には知らなかった。外国語に堪能なかたは、お使いだったのだろうが、少なくともメディア用語としては、登場していなかった。今では、私ごとき一知半解のヤカラまでが、平気で口にする言葉となっている。ほとんどの外来語と同じく、広く人口に膾炙するにつれて拡大解釈されたり捻じ曲げられたりして、原意の厳密さが擦り減ってきていることだろうけれども。 みずから一次情報にまで遡って、動かしがたき事実を確かめながら、各人独自に判断ができる、良い時代になったという人がある。本当だろうか。 検索機能が確保されてあることと、活用…
夜間の彷徨は、世界がその力を弱め、遠ざかってゆく時にさまよい歩く性癖は、さらには夜間に実直に営まねばならぬような職業すら、猜疑を呼び起すものである。眼を開けたまま眠ることは、ひとつの異例であって、象徴的な意味では、共通の意識が認容しない底のことがらを指し示すのである。よく眠らない人々は、常に多かれ少なかれ良俗に悖る者のように見える。そうした人々は何をするのであろうか? 彼らは夜をして現存せしめるのだ。 (モーリス・ブランショ「眠り 夜」、『文学空間』粟津則雄・出口裕弘訳、現代思潮社、1886年、378ページ。) 文学空間 作者:モーリス・ブランショ 現代思潮新社 Amazon タブッキ『インド…
ミシェル・レリス細田直孝訳『夜なき夜、昼なき昼』(現代思潮社 1970年) 瀧口修造『三夢三話』(書肆山田 1980年) 長らく夢をテーマとした読書について書いてきましたが、このあたりでいったんけりを付けたいと思います。最後の二冊は、強いてまとまりを作るとすれば、シュルレアリスム系詩人学者の手になる二冊と言えばいいでしょうか。『夜なき夜、昼なき昼』は、大学時代に一度読んだものの再読で、あちこちに線が引いてありました。『三夢三話』は、20年ほど前に買って積んでおいた本。 前回読んだ清岡卓行が夢をテーマにした掌篇小説を書くきっかけになったのが、この『夜なき夜、昼なき昼』を読み耽ったことにあったと、…
(現代思潮社版上下2巻) 水林章上智大学教授の『公衆の誕生、文学の出現—ルソー的経験と現代』(みすず書房)は、18世紀フランスにおける公衆の誕生の文化史的意味を追求しているが、19世紀前半の出版で、さまざまな職業人のありさまを克明に描いた事典風の書物『彼ら自身によって描かれたフランス人の肖像』中の「文芸人」に関する記述を紹介しているところは面白い。……文学界の商業的側面は、どの作家においても詩的なところなどまったくない。特に、新人にとっては何の魅力もない。未知の才能には商品価値がない。というのは、知性の世界における有名人とて他の商品と何ら変わるところがないからである。広場に出れば、有名人のひと…
大阪唯物論研究会会員 倉島伝治 今回は、以下の4つの作品を紹介します。イチ押しは、1番の『福田村事件』です。前回『鶴彬』を紹介しましたが、「初見」との声があったので、佐高信(さたかまこと)の参考文献に未収録の文献から幾つかを紹介します。 1.『福田村事件』 辻野弥生 著 五月書房新社 2023年7月10日 発行 270頁 ¥2,200円 関東大震災時に、朝鮮人に間違われて虐殺された被差別部落民の事件を、 掘り起こした書。2013年刊行後絶版になっていたが、今回増補改訂版と して復刊。朝日新聞6月20日号夕刊で紹介された。 2.『やさしい猫』 中島京子 著 中央公論新社 2021年8月25日 発…
www.sankei.com simmel20.hatenablog.com ▼栗田勇は詩人である.一晩で読み切ったロートレアモンの『マルドロールの歌』(現代思潮社)の訳詩以来、栗田勇氏の夥しい著作、講義、演劇(人間座公演『愛奴』俳優座劇場)に接してきた。現在は、日本の高僧の評伝の仕事などで評価され、昔の亀井勝一郎を思わせる存在となっている感じである。わかりやすい現代「日本浪曼派」という呼称がふさわしい。しかし、かつて『サボテン』という詩集を出し、それを収めた詩集『仙人掌』(書肆山田)があったことは、あまり知られていないようだ。 ある夜中野にあった新日本文学会の事務所2階の会議室で、「いいだ・…