衝角を持たせた突撃用途の水雷艦。
当時各国で建造されていた水雷巡洋艦*1と小型衝角艦*2を統合したような艦種となっている。
ある程度の航洋性を持ち、魚形水雷攻撃と自らの突撃により敵艦を撃破することを目的とした艦。
この種の艦艇は英国では唯一形式・1隻のみが建造された。
一部資料ではスパートーピード(槍のように突き出した外装水雷)を持った特攻艦として書かれていたこともあるが、実際には二千噸オーバーの、小型巡洋艦サイズの艦艇である。
オーストリア=ハンガリー二重帝國海軍にて1級2隻が建造された。
1874年就役のアメリカ合衆国軍艦イントレピッド号がこの種の軍艦の嚆矢とも言われる。
スパートーピードではなく、自走式の魚形水雷を搭載した最初期の水雷艦艇という意味でも興味深い。
この艦をモデルにした「サンダーチャイルド號(かみなり号)」がH.G.ウェルズの小説、「宇宙戦争」に登場しており、訳文中では衝角駆逐艦サンダーチャイルドと紹介されている。
H.M.S.ThunderChildについては、「衝角駆逐艦」の項に詳しい。