2014年8月30日第1刷発行 奈良の金光明寺(のちの東大寺)で大仏開眼供養が盛大に行われた。高さ52尺(約16メートル)、御顔の長さ16尺(約5メートル)の大仏は、華厳経が説く蓮華蔵世界の中心的存在であり、世界そのものを象徴する盧舎那仏である。皇太后光明子(こうみょうし)が夫聖武太上天皇(45代天皇)と娘孝謙天皇(46代女帝)と参内した。2年後、鑑真和上を呼び寄せて受戒した。聖武太上天皇が崩御すると、淳仁天皇が即位した。朝廷の権力は仲麻呂が握った。皇太后は僧正に悪臣を誅する呪術を相談すると、目の前に道鏡が現れた。皇太后が安宿媛(やすかべひめ)と呼ばれていた子供の頃に場面が変わる。父は藤原鎌足…