閨胞?搾門?隷重類?(けいぼう、さくもん、れいちょうるい、と読む)第二回創元SF短編賞を受賞した表題作「皆勤の徒」第一章の最初の一ページから、読む人は未知の言葉に出くわす。これは私が知らないだけで実在する言葉なのか、それとも作者による造語なのか? 気になって念のため辞書で検索してみたが(もちろん)ヒットしない。これらは著者、酉島伝法による造語であり、そして最初の一ページでこれなので想像がつくだろうが、著者による造語は三つでは終わらない。本編三八五ページ中に一つも造語が登場しないページが一ページでもあるだろうか、というほどの数の見知らぬ単語が読者を襲う。特にファンタジーやSFによく見られる、作者…