5月20日に開催された、民族文化研究会・関西地区第57回定例研究会における研究報告「とある旧ソ連人記者の日本人論――『一枝の桜 日本人とは何か』を読む」の要旨を掲載します。 はしがき いわゆる日本人論というものは過去から現在に至るまで大量に発表されているが、その中でも外国人の手になるものは、日本人自身による日本人論とはまた違った視角からの問題意識を提供する。今回紹介する『一枝の桜 日本人とは何か』もその一つである。本書はフセワロード・ウラジミロウィチ・オフチンニコフによって記された書物で、1971年に読売新聞社から出版されている(現在では中公文庫にて読むことが可能)。また、訳者のあとがきによる…