捕虜収容所を描いた映画、と言ってすぐに頭に浮かぶのは、映画「大脱走」であり、スティーブ・マックイーンがバイクをとばして、ドイツ兵から逃走するシーンであるとか、何度も脱走を試みては失敗し、独房にいれられ、独房の壁を相手にキャッチボールするシーンであるとか、お馴染みなのである。今回、語っていくのは、その映画「大脱走」よりも10年前の1953年に制作された、あのロマンティック・コメディーを撮らせたら一級の腕と言ってもよい、ビリー・ワイルダー監督による映画「第十七捕虜収容所」である。 同じ捕虜収容所の映画ということもあって、若干似ているシーンもなくはない、映画「大脱走」による、映画「第十七捕虜収容所」…