日本の輸送船。上方(伊丹、池田、灘)で生産された「下り酒」を江戸まで搬送した。江戸時代中期から、明治時代の中期まで用いられる、構造は菱垣廻船(ひがきかいせん)とほぼ同じで、弁才船と呼ばれる和船の一種。相違は、単一の商品(清酒)のみを取り扱うこととし、積み込みの合理化を図ることによって輸送時間の短縮を実現したところにある。 参考文献として、司馬遼太郎『菜の花の沖』がある。
□”御影”の由来 阪神御影駅近くにある”沢乃井”と呼ばれている泉に神功皇后が姿(御影)を映したことにちなむと伝承されています。そのほかにもいくつかの説があるようです。沢乃井は阪神御影駅の近くの高架下にあります。霊泉といわれ内は薄暗く神秘的な雰囲気を感じます。 清水がこんこんと湧き出す沢乃井 □御影の松 昔は阪神間の海岸沿いには白砂青松の風景が続いていたようで、御影も松の景勝地だったようです。 世にあらばまた帰り来む 津の国の御影の松よ 面がはりすな(藤原基俊) と謳われ、松が美しかったようです。43号線近くの西方寺にはこの古歌を刻んだ古い歌碑があります。この歌に因み、松葉を3本組合せてた図柄は…
菱垣廻船の模型など展示がないか、あったら見に行って写真を掲載しようと思ったのですが、結論としては、「見つからなかった」ので、「菱垣廻船」と並んで江戸時代の海上運送の主役となった「樽廻船」の写真を。いずれも「弁才船(べざいせん)」といわれる大型の木造帆船で、構造上大きな違いはありません。(菱垣廻船は舷側に木製の菱組格子の装飾があるのが特徴です) 樽廻船模型展示(西宮市郷土資料館館) 模型展示が全くない訳ではありません。「菱垣廻船 展示」で検索したところ、最初に「浪華丸」というのがヒットします。「日本海事史学会」のHPによると、 大阪市が市制100周年の記念事業として復元建造し、大阪市立の海事博物…
今回も東京都目黒区の祐天寺について。 前編では仁王門、本堂などについて述べました。 当記事では阿弥陀堂、地蔵堂などについて述べます。 阿弥陀堂 本堂向かって左手前(本堂北東)には、阿弥陀堂が西面しています。阿弥陀堂を西向きに建てるのはめずらしいと思います*1。 桁行3間・梁間3間、宝形、向拝1間、瓦棒銅板葺。 仁王門と同じく竹姫の寄進で、1724年(享保九年)上棟*2。区指定有形文化財。 向拝は1間。 母屋は正面側面ともに3間。正面の引き戸の上の扁額は、右横書きで「阿弥陀堂」。 向拝柱は几帳面取り角柱。正面(写真左)には唐獅子、側面には象の木鼻。 柱上の組物は連三斗。組物の上の手挟には、籠彫り…
酒造業を成功させ、大坂に進出した鴻池新右衛門(新六)。諸説ありますが大坂城下の旧久宝寺町に店舗を開いたと伝わります。現在その跡を示すものは残っていませんが、町内に「銅座公園」が。このあたりに鋳銅や銅の取引を行う「銅座」があった名残でしょう。 大阪府中央区の銅座公園(内久宝寺町2丁目) 大阪進出の時期が前回ご紹介したように元和五年(1619)のこと。この元和という時代は鴻池家だけでなく「元和偃武」の言葉で知られるように、日本史上でも大きな変革が起こった時期でした。 元和元年=慶長二十年(1615)に大坂夏の陣により豊臣家が滅亡、領主同士の争いが止み、武器を偃(ふ)せて武器庫に収めたことから「偃武…
もくじはこちら 第一章 八方変現 第二章 掟返し 第三章 剣風往来 第一章 八方変現 八方変現 抜忍赤目殺害のため、夢屋七兵衛と手代の日の市を追う鏡隼人(カムイ)はどちらが赤目か確信を持てないでいた。犬をけしかけ七兵衛を水に落とした鏡隼人は日の市が赤目と判断し殺した。そこに松林蝙也斎が現れ、鏡隼人に毒を塗った手裏剣を投げつけた。鏡隼人は橘軍太夫の屋敷に戻るが、そこには用心棒達の死体が並んでいた。馬に乗って洞窟に隠れた鏡隼人。 船の上で七兵衛と赤目が日の市の遺体を見ている。七兵衛は今はぬけるかぬけぬかのせとぎわだ、と赤目に言う。金の力で赤目を抜けさせようとする七兵衛。二人は日の市の遺体を海に捨て…
日本史 今日は日本史から学習をした。 江戸時代の社会経済 引き続き内容は江戸時代の社会経済である。 今回はその中でも、交通に焦点を絞って学んだ。 五街道と三都 五街道とは、以下の5つを指す。 東海道:江戸~京都、海沿いを通る。 中山道:江戸~草津、山の中を通る。 甲州道:江戸~下諏訪 日光道中:江戸~日光 なぜ日光によるのか?というと、家康の墓である日光東照宮があるからである。 奥州道中:宇都宮~白河 三都とは、以下の3つの都市を指す。 江戸 約100万人(人口の半分は武士、残り半分は商人)の消費都市。 江戸幕府の将軍がいる江戸城があるため「将軍のお膝元」と呼ばれた。 大坂 人口は約40万人の…
2024年2月2日から”まちたびにしのみや”が「灘五郷へ至る酒処旅」を実施します。 日本酒の生産地である灘五郷の酒造りについて探るツアーが全部で6回行われるものです。そのうちのシリーズ4「今津鳴尾の段 江戸の夢。古社に眠る樽廻船中の夢を訪ねる」では、港の整備に関わった町の人々の痕跡を、神社の寄進燈籠などの中に見出す一風変わったツアーです。ツアーの最後には、大関甘辛の関寿庵にて日本酒飲み比べセットを味わえます。 興味のある方はぜひ参加してみてください。 まちたびにしのみやHPより引用 [日時] 2024年3月17日(日) 14:00〜18:00 [参加費] 3500円(試飲付)<傷害保険料・消費…
【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 11月12日 灘の酒は江戸では甘口であった!? 21 平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。 この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。 日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。 紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。 【 注 】 日記…
概要 いつ 天気 ハーバーランド夜散歩 なぜ 新開地 ハーバーランド着いた 遊覧船 カワサキワールド・神戸海洋博物館 カワサキワールド 神戸海洋博物館 おわりに 概要 神戸に旅行で行った ハーバーランドあたりを深夜と翌日の日中にお散歩 遊覧船乗った 神戸海洋博物館とカワサキワールドに行った 感想は書かないけど、神戸ファッション美術館と神戸ゆかりの美術館にも行った いつ 2023年9月22日(金) 夜のみ 2023年9月23日(土) 天気 22日 雨ふったりやんだり 23日 晴(画像) ハーバーランド夜散歩 なぜ 22日は関東から関西への移動日。 宿は神戸にとっていたものの、新幹線で京都で降りて…
〇〇世紀を ずらしてくる という問題が多いですね。 年代がズバッと決まっていれば、それを暗記しておけばいいんですが、なんかモヤモヤしたのあります。 山川教科書のP208に注意 17世紀前半 菱垣廻船 17世紀後半 東廻り海運、西廻り海運 18世紀前半 樽廻船 18世紀末 北前船 順番に注意です⚠️ ゴロリズム:ヒー!ガキ!開運当たるキター!
海運は時期に注意しましょう。 京都の豪商角倉了以は 鴨川・富士川を整備 高瀬川とかを開削して水路をつくりました。 山里で切り出された木材が筏(いかだ)に組まれて送り出されます。 淀川・利根川・信濃川 なども調べておきましょう。 琵琶湖・霞ヶ浦などの湖では、高瀬舟などの中型船や小舟を用いた舟運が発展しました。 また、河岸(かし)=港町が、陸上交通と船運との結節点として、様々な場所にできました。 17世紀前半に、大型の帆船を用いた菱垣廻船が大坂からから江戸へ、様々な商品を運送し始めました。 17世紀後半になると、江戸の商人河村瑞賢が、出羽酒田を起点とした江戸に向かう東廻り海運・西廻り海運のルートを…
2023/07/07~08にかけて、兵庫県神戸市の灘の酒蔵と有馬温泉を訪れました。名古屋から電車を乗り継ぎ阪神電鉄魚崎駅に降り立った。ここから徒歩で灘五郷の一つ魚崎から御影郷、西郷まで初日に訪れた酒蔵を掲載します。 まず駅を降りたつと写真の「灘は日本一の酒どころ」の看板が目に飛び込んでくる。ここから左の魚崎方向に向かい南下しながら酒蔵巡りのスタート。 上は駅から5分程の桜正宗記念館付近の酒蔵マップ。 桜正宗記念館。こちらはスルーして最初の目的地に浜福鶴に向かう。 ホームセンターのある交差点を左に向かうと正面左に赤レンガの煙突が見えてきます。以下は浜福鶴HPより。 「江戸時代の後期、現在の兵庫県…
麹室で作られた麹は、蒸米と共に半切桶に入れて、水に吸着させる。 麹と蒸米が水によく吸着したころ、2人の作業員が山卸という棒櫂でかき混ぜる。麹、蒸米、水をすり潰して、糖化を早める作業である。酛摺りという作業である。 こうして酛(もと)又の名酒母と呼ばれる日本酒の元が出来上がる。 酛摺りの工程 次の作業は、三段仕込みである。 仕込桶の中で、酛に水と米と麹を加えることを仕込みという。添、仲、留の三段階に分けて仕込むのを三段仕込みという。 酛に倍の原料を加えて仕込んだのを添という。添の倍量の原料を加えて仕込んだものを仲、仲の倍量の原料を加えて仕込んだものを留という。 三段仕込み 仕込桶の下から順番に、…
司馬遼太郎をよく知らなくても、船好きな人なら知っている『菜の花の沖』(実際に私の知人でそういう人がいた) この作品は文庫版で全6巻ですが、我が家にあるのは2巻〜4巻だけです。 物語自体は全部読んだのですが、手元に残したのはこの3冊だけ。 なぜか? 5巻と6巻はロシアとの騒動に巻き込まれる政治劇になってしまい、私にとって肝心な「積み荷」や「食べ物」の話が描かれなくなってしまうからです。 そして1巻は主人公・高田屋嘉兵衛の陰惨な少年時代が描かれるシーンが殆どで、主な積み荷といえば樽廻船で兵庫から江戸まで運んだ「下り酒」ぐらい。 わざわざ文庫本を所有するほどの価値を感じないのです。 脂肪をたっぷり含…
2014年12月10日発行 お北は家族と樽廻船の魚屋十兵衛に身を寄せた。幸二郎が中風を患い、魚屋十兵衛は別宅を提供した。鍼灸医もつけ、効果が見え始めた。お北の子、新太郎は九つに。江戸に久しぶりに戻る。田沼意次は一万石の大名になる。はじめて領地の相良に行く。龍介も同行。東海道鞠子の宿にはお北の一行がいた。十兵衛も同行した。鞠子の宿でお北は意次と久しぶりに再会。十兵衛は意次やお北を見て爽快な気分に。幸次郎の江戸の店は湊屋本家に乗っ取られていた。意次自らがわざわざ十兵衛を訪ね、お北たちへの並々ならぬ親切に礼を述べる。これをきっかけに意次と十兵衛との交流が始まる。弟の田沼意誠(おきのぶ)が一橋家の家老…